ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/5/31)投稿日:2016/5/31
わかってない者には笑える!
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11159868276
NPNトランジスターの動作原理について教えてください。
って言うのは、よく次のような説明があると思います。
(以下、C:コレクタ、B:ベース、E:エミッタ)
「BーE間に接続された信号源の電子流isがBE接合に達すると、その一部はBC接合を越えてCに達する。Cには高電圧Vcが接続されているので、これに電子流が引かれて強い流れになり、増幅されたコレクタ電流Icになる」
しかし、この説明ではIcが増幅されることはわかりますが、IsがE領域で強くなる説明が欠けていると思います。つまりIc≒Ieとなる理由が説明できていないと思います。
そこで私は簡単に次のように考えました。
(私は理系出身ですが、半導体の専門家ではありません)
量子力学でトンネル効果の計算をする要領で、E、B、C各領域で電子の存在確率を計算すると、「もしかして」それがIe、Ib、Icの比率になっているのでは?
つまりEでの確率は1(Ic、IbともにEを通るから)、そしてCのポテンシャルはVcにより思いっきり低くなっているから存在確率がとても大きく、0.99...とかになる。
半導体に詳しい方、ぜひ教えてください。
■回答
A
バイポーラTr(BJT)の動作原理です。
一般に間違った説明がされていますので注意です。
正統な説明です。
バイポーラトランジスター(BJT)の原理(メカニズム)
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n221207
間違いだらけのトランジスタの原理解説
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n153138
バイポーラトランジスタの誤り
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n43067
BJTは電流を増幅するものではありません。
IcをVbeで制御するものです。
ここをお忘れなく・・・
Q
一応ざっと見てみましたが、「理論的には説明できない仮定...」とか「非常に難しい話から、最終的に得られた結果」云々とか話が飛躍していてよくわかりません。
Trの動作を増幅ということがそれほど間違っているとも思えません。現に、マイクロフォンの出力電流数μAがアンプを通して数十mAになるんですから。制御されているのはコレクタ電流ではなく「電源電流」じゃないですか?それにBJTの制御はVbeというのも納得いかない。BJTは電流が流れてナンボ。電圧制御ならFETじゃないですか?
なんかスッキリした説明ありませんかね?
たとえば発振とはなにか?
「発振とは増幅率1以上、位相差0の正帰還である」
みたいな、ズバッくる説明がほしい。
mpcsp079さん、ご紹介いただいた3つの記事、ぜひわかりやすく説明していただきたいと思います。たとえば、この理解には統計力学の○○が必要であるとか、量子論なんぞ使わずともxxxがわかればOKとか、そんな感じでもかまいません。しかし、長くなるようでしたら結構です。
A
この理論はこの本に書いてあります。
知識としてはフェルミ分布くらいでしょうか。
バンド理論は詳しくは必要ありません。
BJTのショックレイ理論は、フェルミ分布によるキャリア濃度計算と拡散理論によるキャリアの輸送で説明されます.。
アンドリュー 半導体.jpg
この本もいいです・・・・
是非読んでください。
簡単に説明できることではありません。
ショックレイのBJT理論はこうです。
VbeによってEからBにキャリアが注入される。NPNなら電子(e)です。これはフェルミ分布から計算されexp(Vbe/VT)という形になります。これがCとBに行きます。その比がβです。つまり、IcはVbeで決まります。何も増幅はしてません。
電圧の増幅はIcをCのRLに流すことで起こります。
動作点で線形化すれば、
ic=gm*vbe
vo=ic*RL=gm*vbe*RL
ゲイン=gm*RL
となります。
Q
はりこれを読め的になっちゃいますよね....
自分の勉強不足を棚に上げて恐縮ですが、今回のmpcsp079さんの回答で納得することは諦めます。
もしよろしければ、あと2点教えてください。
(1)直前の回答でEB間の電流の式、(Vbe/VT)の分母のVって何でしょうか?電圧なら次元が合わないと思います。
もしかしてダイオードの式 exp(qVbe/kT)と同じものですか?
だとしたらそれ自体は何も不思議さを感じません。
(2)IcはVbeに依存することを強調されている感じですが、ではなぜTr回路は入出力の整合にシビアなんでしょうか。入力抵抗が小さい信号源をコレクタ接地では使わないと思います。もし、Vbeのみに依存するなら整合など考える必要はなく、FETそのものじゃないですか?
(たしかにFETは電流増幅はしませんね。電流を入力電圧で制御するだけです)。
私にはどうしてもTrの増幅動作に電子の動き、つまり「電流」が噛んでいるような気がしてなりません。私がTrの動作に興味を持ったのはこの点です。
波動関数から計算されるB、E、Cの電流分布比がたとえば1:100:99になっているとする。電流分布比は電子の存在確率に「従うしかない」。そこに1のベース電流が流れる。必然的に100:99のIe、Icどうしても「流れざるを得ない」。
Trの各ポテンシャルを考えると、動作をこれで説明できるような気がしたので確認するために質問を投稿しました。まぁ、門外漢の発想なのかもしれないね。
A
>(1)直前の回答でEB間の電流の式、
VT=KT/q
のこと
1)BJTのFETと違うところは、ベース電流がながれてしまうところ。B-E間の抵抗が低いこと、それと、
Vbe-Ic
の関係と、
Vgs-Id
の関係(関数形)が違うだけ。
BJT、FETは同じです。
ーーーーーーー
ではなぜTr回路は入出力の整合にシビアなんでしょうか。入力抵抗が小さい信号源をコレクタ接地では使わないと思います。もし、Vbeのみに依存するなら整合など考える必要はなく、FETそのものじゃないですか?
ーーーーーーー
ここ、意味不明!
ーーーーーーーーーーー
私にはどうしてもTrの増幅動作に電子の動き、つまり「電流」が噛んでいるような気がしてなりません。私がTrの動作に興味を持ったのはこの点です。
ーーーーーーーーーーー
BJTは、何も増幅しません。この考えが初歩的です。高校程度の教科書に書いてあるが・・・電圧で電流を制御する素子です。しかし、この素子は、電圧増幅回路を構成できる。
Vbeはエミッタ電流を制御し、これが1:βでIb,Icになるだけ。
Q
なんか埒が明きませんね。
一番知りたいのは私の 電流分布=電子の存在確率 としていいかどうかだったんですけど...
Tr回路の入出力インピーダンス整合の重要さも意味不明とのことですし...
とりあえず物理現象としてのTrは理解してますのでもういいです。
えらい面倒をかけて回答していただいたのでベストAnswrです。
あとは自分で勉強しますわ、ありがとう。