SonofSamlawのブログ

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トランジスタ回路(エミッタ接地)の質問と答え

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/18)投稿日:2013/9/13    

■質問

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10113340405

 

先日の増幅回路のご回答ありがとうございました
 どうか続きをお願いします
 コレクタ側に負荷抵抗がある場合ですが、このときのエミッタ電流はどういうことになっているのでしょうか?
またこの状態がエミッタ接地ですか 

私のつたない知識では、直流に交流信号を乗せたベース電流が入力されると、コレクタから直流電流が供給されてベースの振幅が増幅されてエミッタから振幅の大きくなった交流信号を乗せた直流が出てくるというイメージをしていますです。
 「コレクタ電流の波形が増幅されている」 とはどういった流れでそうなるのでしょうか?

どうぞよろしくお願いします!! 

 

 

 

 

■回答

>コレクタ側に負荷抵抗がある場合ですが、
 >このときのエミッタ電流はどういうことになっているのでしょうか?
ほぼコレクタ電流と同じ値が流れます。
 正確には
Ic=I0*exp(Vbe/Vt)ーー(1)
 Ic=α*Ie
 Ic/Ib=β
Vbe:ベースーエミッタ間電圧
α≒1
 I0:Vbeに依存しない係数で温度には強く依存する。

これがバイポーラトランジスタの完全な説明です。

 >またこの状態がエミッタ接地ですか 
 そのとおりです。

 >直流に交流信号を乗せたベース電流が入力されると、
 >コレクタから直流電流が供給されて
>ベースの振幅が増幅されてエミッタから
>振幅の大きくなった交流信号を乗せた直流が出てくるという
>イメージをしていますです。
 > 「コレクタ電流の波形が増幅されている」 とはどういった流れでそうなるのでしょうか?

バイポーラトランジスタ(BJT)は何も増幅しません。FETもまったくおなじです。

 Icは上の式によってVbeによって決まります。
そして、
 Ib=Ic/β

つまりBJTはVbeでIcを制御する装置です。何も増幅しません。
このことについて多くの間違いがまき散らされています。
 BJTは増幅獅子ではありません。増幅器を構成するものではありますが。

 一般に
Ib=Ic/β
を採りあげ、電流増幅などといいますが、β=1でも電圧増幅できます。
βが小さいと、ベース電流が増えてしまうだけなのです。
 電圧増幅にβは関係してきません。


 増幅の原理はこうです。

 

■増幅原理
コレクタにRLを入れます。
 (1)式によって、RLの電圧降下VRLは
Ic*RL=RL*I0*exp(Vbe/Vt)ーーー(2)
ここで、上の非線形な関係をあるIcの付近で線形化します。
つまり、バイアス電流(DC電流)を流しておき、これに信号を乗せるのです。
このバイアス電流の付近で(2)式を線形化します。
つまりそこでの傾きを求め、VbeとIcに比例関係があると近似してしまうのです。
すると、
 Ic=gm*Vbe
となります。gmを相互コンダクタンスといいます。すると、
 VRL=Ic*RL=RL*gm*Vbe
 VRL/Vbe=gm*RL
が電圧ゲインとなります。
 Ib=Ic/β

これが増幅機構の完全で簡単な説明です。
もしIbとβを使ってもとめても全く同じ結果が出ます。
このときβは消去され結果に反映されない子tがわかります。


■参考に