コーンスピーカーのブロック図、どうして電圧駆動か?
コーンスピーカーの完全なブロック図
スピーカーは電圧駆動において、平坦な周波数特性になる。なぜか?
参考文献
①スピーカーの物理学 Ⅰ
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9416transient_impedance.pdf
②スピーカーの物理学 Ⅱ
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9522soundimpedance.pdf
③スピーカーの物理学 Ⅲ
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9722dynamicspeaker.pdf
④ダイナミックスピーカーの諸特性
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9722dynamicspeaker.pdf
⑤スピーカー駆動を考える
⑥参考質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14165468524
図1にコーンスピーカーの完全なブロック図を示す。
K1はSPの推力定数
K2は逆起電力定数
K1=K2
K3はSPのコーンのエッジばね定数
MはSP可動部の質量
DはSP可動部の粘性定数
XmはSpの機械インピーダンス
ZspはSPのコイルインピーダンス
ZampはアンプのOUT抵抗
Vはアンプ電圧
Pはコーンの受ける抗力(=音圧)
SPの低域での共振は、
ーMω^2+jDω+K3
が最小となる周波数でで起こるものです。
図1
図2 Xmの周波数特性(文献②より)
わたしはダンピングファクタや制動の意味が分かりません。アンプは単に電圧源とOUT抵抗だけです。 高価なアンプでも同じです。どうして高価なアンプは制動効果があるのでしょうか?
下の図でアンプに関わるものはZampのみです。 現在のアンプはZampは極めて小さいです。 真空管無帰還はこれが大きいです。
いままでこれだけのブロック図をかかげて説明されたものを見たことがないです。 SPの低域でのインピーダンスの増加は、
ーMω^2+jDω+K3
の低下によるSPのゲインが上がることにより逆起電力が上がり、Vが打ち消されて電流が下がることで生じます。
図1を変形してみると図3になります。アンプの要素はZampしかありません。これは高価であろうがなかろうが現代のアンプは小さいです。
つまり価格による違いはないと言えます。 しいて言えば、最大電流とか歪くらいでしょうか。それと、電源がしっかりしていることですかね。
電源は大事ですね。 低価格のアンプでも電源をしっかりすれば音質はよくなるとおもいます。
とにかく、このあたりが整理されず、いろいろな人が勝手なこと言っているので、振り回されます。
図3
SPの低域の共振、つまり、コーンのエッジゴム支持によるばね共振は、電圧駆動の場合、上図の逆起電力のループで緩和されます。つまり、アンプのOUT抵抗が小さいアンプでこの効果は出ます。つまり、共振周波数では逆起電力によりコイル電圧が下げられ、振動は小さくされます。このため、共振による効果が緩和されます。つまり、これがダンピング効果です。電圧駆動ですとこの効果があります。
電流駆動、つまりアンプのOUT抵抗が大きいと、電流駆動に近づくため、逆起電力の影響を受けずにコイルには電流が流されます。つまり共振周波数では音量が大きくなります。いわゆる、低域のダンピングが効いていない音になります。
ですから、現在では電圧駆動が常識となっているのだと思います。
この効果がいわゆる「制動」なのでしょうね。
これは高価なアンプではなくても、現在の完全なNFBをかけたトランジスタアンプではすべて、OUT抵抗は小さくなっていて、つまり電圧源になっています。だから、制動されるはずです。
この制動はアンプがやっているのではなく、SPの逆起電力を利用しているだけのことなのです。だから、価格に関係なくそうなります。