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ホーンスピーカー(horn speaker)の理由 

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/29)投稿日:2013/12/26    

 

ホーンスピーカー(horn speaker)の音響学のブログ集 - SonofSamlawのブログ

 

 

      図1 スピーカーの目標
 
 
 
  スピーカーの目標は、図1の(a)を(b)にすることである。電気で言えば変圧器である。Pの振動幅が同じであると、(a)より(b)のほうが大きい音がする。それは当然である。ピストンの面積倍の空気振動が起こるからである。これを直接やったのは、コーンスピーカーである。直接大きな振動板を振動源につなげてしまうのである。つまり、振動源に大きな体積インピーダンスをつなげてしまうのである。

 

     

      図2 ホーン
 
 
 
  しかしホーンは、別な方法でこれを実現するものなのである。入り口と出口寸法が同じ場合、エキスポネンシャル型の場合に最大の効果、つまり、P点の体積インピーダンスを大きくできる。下にその例を示す。

   


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   ここで、図1、図2の振動源Pは、電磁力によって振動版が動くタイプのものであるとする。このとき、振動版に負荷が小さければ「定速度」となり、負荷が大きければ「定圧」となる。つまり、負荷が小さければ振動部分の質量のみで決まる振動状態になるが、負荷が大きければその圧力はドライバーの電磁力で決まる値になる。
 
 
 
  このような解析で重要なのが、インピーダンスという考えである。つまり、電気において、電圧と電流にわけて考えるのと同じに、音波の特徴を気圧と流速に分け、それぞれの動きを考えるとき、この2つの比に注目するのである。この比の特に交流における場合、インピーダンスという。この値が、状況によって変化するのである。
 
  
 
  電気の言葉言えば、この振動源はOUT抵抗Roをもった電圧源Eである。つまり、負荷RLが小さければ、負荷に関係なくE/Roの電流が流れる。このときの負荷電圧はほぼE*RL/Roとなり、RLの小ささに比例してちいさくなる。一方、負荷が大きければ、負荷に関係なく負荷には電圧Eがかかり、負荷電流は、E/RLとなりRLの大きさに比例して小さくなる。
 
  
 
  つまり、負荷抵抗RLが小さくしていくと負荷電流は一定で負荷電圧が小さくなり、大きくしていくと負荷電圧は一定で負荷電流が小さくなっていく。音響の話に戻ると、負荷インピーダンスが小さすぎると、伝搬していく音圧はどんどん小さくなり、逆に負荷インピーダンスが大きすぎると、機体の流速はどんどん小さくなっていく。どちらの状態も伝わる音は小さくなってしまう。そこで、Ro=RLとなったとき、最大のエネルギーが伝わる。つまり、伝わる音は最大になる。
 
 
 
  そこで、振動源付近ではRLをRoに合わせて最大のエネルギーを引き出しておいて、それを自由空間に伝える、導くという発想が、ホーンなのである。

  

      図3 DCの音響インピーダンス
 
 
 
  図3にDC(直流、変化しない信号)の音響インピーダンスに関するものである。音源Pから見て、小さき(a)のほうが送り込んだ気体に対する圧力の上昇が大きい、つまり音響インピーダンスは大きい。
 
 
 
  ホーンは音源付近では管の直径を小さくし音響インピーダンスを上げ、徐々に管径を大きくしていき、自由空間につなげる。

 

            図4 異なる体積インピーダンス管を縦続接続した場合
 
 
 
  ホーンの効果を調べるには、図4のような体積インピーダンスの異なる管を従属接続した場合に、振動源から見た体積インピーダンスを調べることで解析する方法で行く。体積インピーダンスについては、下の「ホーンスピーカー理解のための音響学」を見ていただきたい。
 
 
 
  図4において、Z3’はZ3+Z4のインピーダンスであり、Z2’はZ2+Z3’のインピーダンスであり、Z1’はZ1+Z2’のインピーダンスである。こうして振動源PでのインピーダンスZ1’が求まる。これを振動源PのOUT体積インピーダンスに近くするようにすることで、発生する音を最大にできるのである。当然、発生する音が大きくなれば、音源の消費する電力も上がる。

 


★これはもっとちゃんと考察してみた。

「オーディオ研究2 アンプからスピーカー、音波まで」

オーディオ研究2 アンプからスピーカー、音波まで - SonofSamlawのブログ
 
 
 
  このことを考えるために、以下のブログを書いてみた。 どうしてそうなるのかが示されている。
 
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