ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2013/4/28)投稿日:2013/4/5
■参考
ショットノイズの1957年の論文 2 # - SonofSamlawのブログ
プランクの式 <E>=hν/(e^(hν/kT)-1) の導出 - SonofSamlawのブログ
熱雑音,黒体輻射, プランクの法則, 固体の比熱, 前期量子論
ハリー・ナイキスト
抵抗Rのノイズ電圧=√(4 kTR⊿f)
有名なこの理論に関する論文
ジョンソンノイズ、ショットノイズ、フリッカノイズの導出法を教えて下さい。| OKWAVE
を紹介する。翻訳もしてみました。
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THERMAL AGITATION OF
ELECTRIC CHARGE IN
CONDUCTORS
H.NYQUIST
1928
https://www.physik.uni-augsburg.de/theo1/hanggi/History/Nyquist.pdf
H. Nyquist, "Thermal Agitation of Electric Charge in Conductors", Phys. Rev. 32 (1928) 110-113. http://www.physik.uni-augsburg.de/theo1/hanggi/History/Nyquist.pdf
■参考
ショットノイズについての1957年の論文
ショットノイズについての1957年の論文 - SonofSamlawのブログ
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ジョンソンはコンダクタの電圧の発見と測定について報告した。それはコンダクタのの温度と簡単なる関係があり、コンダクタの電気的キャリアの温度による運動に帰されていた。この仕事はその後へつながってゆき、熱力学や統計力学からこの電圧が理論的演繹で導かれる。
.......
抵抗Rの2つの導体を考える。それらはFig.1のように同じ温度Tでありつながっている。導体Ⅰの電圧は電流を生じさせる。その値はその電圧を2Rで割ったものである。この電流は導体Ⅱにおいて発熱あるいはパワーの吸収を引き起こす。吸収されるパワーはR×電流の2乗である。言い換えれば、パワーは導体ⅠからⅡへ移る。同様にパワーは導体ⅡからⅠにも移る。2つの導体が同じ温度であることから、パワーの流れは両方向で平衡していることが熱力学の第2法則からいえる。前提は2つの導体の物質にはよらないことは指摘されるだろう。1つが銀、もうひとつが鉛、あるいは、1
つは金属、もうひとつが電解液などと。
....
この平衡状態が想定された状態下での導体による全パワーの交換だけで成り立つのではなく、任意の周波数間においても成り立つことを示すことができる。もし、そうでなかったとする。Aを周波数帯域とする。その中で導体Ⅰは受け取った以上のパワーを出す。帯域Aが他の帯域よりおおくのエネルギを移動させるように2つの導体を無損失なものでつないだとする。例として、Fig.2のようなAの帯域内の共振回路がつながれたとする。この回路がつながれる前では、2つの導体のパワー交換は平衡であったから、つないでいる回路は導体Ⅱから導体Ⅰのより多くのパワーを移動させる、とい
ことになる。しかし、導体は同じ温度であるから、熱力学の法則に合わない。我々は熱電圧は周波数に無関係であり、抵抗値と温度のみによる、という重要な結果に到達する。
...
この関係を決めるため、Fig.3にあるような長い無損失伝送ラインでつながれた2つの抵抗Rを考える。単位長さのインダクタンスと容量はL,Cであり、√(L/C)=Rになっている。輻射を防ぐため、片方の導体がもう一方の導体の中にあるかもしれない。この状態では、伝送線路の特性インピーダンスがRとなっているため反射などは起こらない。ラインの長さをl、伝搬そくどをvとする。熱平衡になったとき、温度はTとなった。伝送ラインでのエネルギー移動に2つの流れがある。図で左から右で、パワーは導体Ⅰにより送られれ、導体Ⅱにより受け取られる。その逆もある。
...
熱平衡のあとで伝送ラインを2つの端子にショート回路を使うことで2つの導体から絶縁する。この状態では完全な反射が2つの端部である。ラインにあるエネルギーはとじこめられる。今、反対方向に移動する2つの流れとしてライン上の波を描写する代わりに、各周波数での振動としてラインを描写すつことが可能となる。低い周波数に対応して電圧波は各々の端部で節をもち、中間にはない。この振動モードに対応した周波数はv/2lである。次に高い可能な周波数は2v/2lである。この振動モードでは節は両端と真ん中にある。同様に可能な周波数は3v/2l、4v/2lなどである
。νからν+dνの周波数範を考える。この範囲での振動モード数は2ldν/vであり、lは十分大きくとられる。この状態では、定義された量として各自由度当たりの平均エネルギーを論じることが可能となる。各自由度に対して、熱平衡の法則により、平均でkTのエネルギーが対応する。kはボルツマン定数である。このエネルギーの半分は磁気で残りは電気である。dν内の全振動エネルギーは2lkTdν/vである。しかし、輻射はないためl/vに時間かけて2つの導体から移動する周波数帯内のエネルギー
である。時間間隔l/vの間に周波数帯dν内で各導体からラインに運ばれる平均エネルギーはkTdνである。
...
Fig.1で、両方の導体の電圧による電流が、その電圧を2Rで割ったものにより得られるというところがうえで指摘された。そして、他の導体へのパワーの移動はR×電流の2乗であることが得られた。もしdν内の電圧の2乗がE^2*dνと書かれるならば、つぎのようになる。
E^2dν=4RkTdν (1)
これは純粋抵抗Rと温度Tでの熱電圧の表式である。
ーーーーーーーー 訳者からーーーーーーーーーーーーーー
> この振動モードに対応した周波数はv/2lである。次に高い可能な
>周波数は2v/2lである。この振動モードでは節は両端と真ん中にある。
>同様に可能な周>波数は3v/2l、4v/2lなどである。
>νからν+dνの周波数範を考える。
>この範囲での振動モード数は2ldν/vであり・・・
>dν内の全振動エネルギーは2lkTdν/vである。
【解説】
長さlの伝送ラインに存在できる周波数はnv/2lである。今、
ν1=n1v/2l
から
ν2=n2v/2l
までの間、dν=(n2-n1)v/2lのなかに存在できるモード数は
n2-n1=2ldν/v
となる。1モードの平均エネルギーはkTだから、dν内のモードの平均エネルギーは、
kT(n2-n1)=2lkTdν/v
となる。
>輻射はないためl/vに時間かけて2つの導体から移動する
>周波数帯内のエネ>ルギーである。時間間隔l/vの間に
>周波数帯dν内で各導体からラインに運ばれる平均エネルギーは
>kTdνである。
【解説】
導体から送り出されたエネルギーがラインを満たすにはl/vの時間がかかる。それは他方の導体に吸収されている。これからdνないで各導体からラインに単位時間に運ばれるエネルギーは、ライン上のエネルギー2lkTdν/vを
で信号の移動時間l/vで割り、それが各導体からであるからさらに2で割った値、
kTdν
に等しい。
>Fig.1で、両方の導体の電圧による電流が、その電圧を2Rで割っ
>たものにより得られるというところがうえで指摘された。そして、他の導体
>へのパワーの移動はR×電流の2乗であることが得られた。もしdν内の
>電圧の2乗がE^2*dνと書かれるならば、つぎのようになる。
> E^2dν=4RkTdν (1)
> これは純粋抵抗Rと温度Tでの熱電圧の表式である。
【解説】
片方の導体のdν範囲の電圧実効値による電流Iはこれを2Rで割ったものだ。そしてこの導体から送り出されるパワーは
R*電流実効値^2=R*(電圧実効値/(2R))^2=電圧実効値^2/(4R)
これがkTdνに等しいので、
電圧実効値^2=4RkTdν
連続スペクトルの場合には、電圧実効値^2は、各周波数での電圧密度をEとすればE^2dνと書けるので、
E^2dν=4RkTdν
となり、次となる。
E=√(4RkT)
ーーーーーーーーーーー 解説終わり ーーーーーーーーーーーーーー
フィジカルレビューの掲載された論文です。1928年です。
Nyquist.pdf (uni-augsburg.de)
http://cis.k.hosei.ac.jp/~kano/opt/opt_08.pdf#search='ショットノイズ'
http://www.setsunan.ac.jp/lw/lecture/EeMesure/2012/Lect-05.pdf#search='ショットノイズ'
参考
---- 【参考】 --------
ある自由度の可能なエネルギーは連続とする。ある自由度がEとE+dEの中に いる確立 はq(E)dEである。分布q(E)=Ae^(-E/kT)を使い、その自由度が可能なエネルギーにいる確率は、
A∫e^(-E/kT)dE=AkT =1
より
A=1/kT
その自由度の平均エネルギー
=1/kT∫Ee^(-E/kT)dE=(kT)2/kT=kT
つまり各自由度はkTという平均エネルギーをもつ。
分布 q(E)はその自由度がEにいる確立、連続ならE,E+ΔEのあいだにいる確立。となるが、一方、多数の自由度でEになっている粒子の個数、EとE+ΔEの間にいる粒子の個数という意味もある(確立×全自由度数)。
統計
ボルツマン :aはここに、bはそっちにいる。(粒子区別)
つまり配置数はそれを区別。
つまり(aは1,bは2)と(bは1、aは2)は違う配置とする。
G=N!Πi=1kgini/ni!
これを最大にするni分布を計算する。
ボーズ :粒子は区別しないで、配置考える。1つの状態にいくつでもはいれる。
フェルミ :粒子は区別しないで、配置考える。1つの状態には1個しか入れない。
■プランクの仮定
ある振動数νの振動子の可能なエネルギーはΔE(hν)の整数倍であるとする。
振動子が可能なエネルギーにある確立
=AΣ(n=0、∞)e^(-n*ΔE/kT)
=A/(1-e^(-ΔE/kT))
=1
∴ A=(1-e^(-ΔE/kT))
その振動子の 平均エネルギーは、
=AΣ(n=0、∞)n*ΔEe^(-n*ΔE/kT)
=AΔEe^(-ΔE/kT)/(1-e^(―ΔE/kT))^2
= ΔEe^(-ΔE/kT)/(1-e^(―ΔE/kT))
= ΔE/(e^(ΔE/kT)-1)
■
kT<<⊿Eでは、
その振動子の 平均エネルギー≒0
kT>>⊿Eでは、
その振動子の 平均エネルギー≒kT
つまり、
振動エネルギーはTが大きくないと分配されない。
並進や回転運動への分配が温度に関係がないとすれば、比熱は高温になると大きくなることになる。
■
以下の結果を使った。
Ci=Σ(n=0、i) nr^n
とすると、
Ci-r*Ci
=r+r^2+r^3+...+r^i-i*r^(i+1)
=r(1-r^(i-1))/(1-r) -i*r^(i+1)
よって、
Ci=r(1-r^(i-1)))/(1-r)^2 -i*r^(i+1)/(1-r)
分布のもとめ方
EをΔEの幅で分割して、各ΔE(Ei )内のgi 個の状態(自由度)に ni のものがいるとする。このni個がgi 個の状態に配置される。そしてこのni個のEはEiである。
そしてこれによりN個の全配置数が最大になるように niが決められる。ガウス分布のように平均が最大とおなじになるからか?そして、
ni / gi
が1状態(自由度)当たりに何個いるかという量である。ΔEとgiのとりかたはーー>0 なので結果に影響しない。
おもしろいアイデアである。
等分配則(古典統計により次のようになるらしい。 どうして??)
回転 1/2kT
振動 kT
並進 1/2kT
2つの物が熱的にくっつくと各自由度に上の配分でエネルギーは分配される。多自由度のもののほうがエネルギーを食う。そして<同じ温度>になる。つまり等分配されるこのエネルギーこそ温度に比例した量である。
また圧力は並進運動による。分子が壁に当たることによる。