ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/2)投稿日:2016/4/2
pn接合では電位差ができていても電圧は発生していない。なぜか?
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14157601344
pn接合された半導体の端子電圧について
pn接合面には空乏層ができ、内部に電場ができます。
電場により空乏層間には電位差があるといえます。
ここで疑問なのは空乏層の外側、pとnの半導
体の端と端では電位差はどうなってるのでしょうか?
空乏層の外には電場が漏れないのだから、p側の空乏層とp側半導体の端は同電位(e=dv/drでe=0ならdv/dr=0)ということになるのでしょうか?(n側も同じ)
現実的にはダイオードの端子を測っても電圧は出てきません。
どういう風に考えればいいでしょうか
■回答
図1
いい質問ですね。これは統計物理で考えないとわかりません。熱遊乱や拡散ですね。これによる効果が、電位差と合わさります。
まず下図ですね。
p型はーに帯電し、n型は+に帯電している。
だから、端部間をつないだら電流が流れそう・・・
図2
しかし、統計物理で考えると、図2になります。 pはhが多く、nはeが多い。この結果eはnからpに行きたがります。熱遊乱と濃度差による拡散です。ーー>A
一方、電荷からくる電界では、eはpからnに行きたがります。-->Bの径路。
このような考えで整理すると、図に示したフェルミ準位が等しい場合には、A,Bがつりあい、電荷の移動が起こらないことが証明されます。
つまり、電圧計で電圧を測ると=0になります。2つの間には電荷による電位差があるのにどうして電圧が出てこないかだが、この電位差によるキャリア(eとh)の流れと、キャリア(eとh)の濃度差による流れが均衡して、2つの電圧計端子に異符号の電荷が集まらないからであるといえる。電圧計に電圧が現れるというのは、電圧計の2つの端子に異符号の電荷が現れるからなのである。
下の本を探して勉強してください。詳しく書いてあります。