同軸線の信号速度と特性インピーダンス
信号速度は1/√(LC)ですから、計算してみましょう。
■ 計算してみました。
同軸線において、中心導体の半径をr1,外皮の半径をr2とします。
1m当たりのCとLを計算します。絶縁体は真空とします。
まずCです。C=Q/Vです。電荷Qが内外導体にあるとき、導体間電圧Vは
V=Q∫(r1,r2)dr/(2πε0*r)=Q/(2πε0)In(r2/r1)
C=Q/V=2πε0/In(r2/r1)
つぎにLです。Lは1A流したときの、導体間の磁束φです。
L=φ=∫(r1,r2)drμ0/(2πr)=μ0/(2π)In(r2/r1)
そこで、LC=μ0ε0となりますから、信号速度は1/√(ε0*μ0)=光速
となります。
これはr1,r2に無関係です。
■ つまり、信号は絶縁層dに関係なく光速で伝わることになります。
光速は、299792458(m/s)です。
■以上は、絶縁体として真空を想定していますが、誘電率εの誘電体を
想定すれば、
信号速度=1/√(μ0ε)
となります。
■特性インピーダンスZ0
Z0=√(L/C)=√( ( (μ0/(2π))In(r2/r1) )/(2πε0/In(r2/r1)) )
=√( (μ0/ε0)*(1/(4π^2)) ) * In(r2/r1)
絶縁部の比誘電率をεsとすると、
Z0=60*In(r2/r1)*√(1/εs)
=138*√(1/εs)*Log(r2/r1)
となって一般に書かれているものと一致します。