ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/7/8)投稿日:2013/12/21
ゲート電圧をかけなくてもドレイン電流が流れてしまう現象「パンチスルー」についての1つの考えで、NーMOSで考える
図1 P基板とNドレインのバンド図
図1にP型基板とN型ドレインの接合部分のバンド図を示す。Nドレインの不純物ドープ量が大きいので境界部分はドレインの近くにある。
図2 ドレインに正の電圧かけたとき
図2にドレインに電圧をかけたときのバンド図を示す。P型基板中にN型の部分(反転層)が出現しているのがわかる。この部分によって、ゲート電圧をかけなくても、ドレイン、ソース間に電流が流れてしまう。
つまり、ドレイン電圧を上げるとP基板中の空乏層が広がりドレインとソースを結ぶ。空乏層中には反転層があり、それはN型なのでここを電流が流れる。
空乏層といっても、徐々に変化していくので、そこに反転層もできる。
空乏層の中でのキャリアの量は、「擬フェルミ準位の仮定」により、図2においてドレイン部分では、EiよりEfが大きい部分でN型、基盤部分では、EiよりEfが小さい部分でP型とする。すると、図2のP基盤部分にN型領域が出現する。
詳しくは、下の本を参照。