ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2015/9/13)投稿日:2013/12/29
コンデンサの面白い問題
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13150067633/a369260045
容量Cの平板コンデンサがあります。
この空隙を充満するように誘電体をつめます。この時のコンデンサ
の容量をCeとします。
このとき、コンデンサのエネルギーはQ²/(2Ce)です。
つぎに、誘電体を引き出します。するとコンデンサのエネルギーは
Q²/(2C)であり、Q²/(2Ce)<Q²/(2C) となります。
つまり、誘電体を引き出す力がコンデンサにエネルギーを与えたように
思われますが、どうもそのメカニズムがピンときません。
気体を圧縮するときは、エネルギーの流れのイメージがわくのですが
この場合はどう考えたらよいでしょうか? 教えてください。
空管アンプが何故いいのか考えてみた。方針は、電源電圧の変動である。アンプ回路の電圧が高いために、電源回路のインピーダンスが低いために音質がいいのだと思います。
■回答
図1 問題
図2 問題のモデル
図3 類似問題
準備として、Qを充電した平行(√S>>d)板コンデンサのdを変えたときを考えます。
空芯コンデンサで極板間距離dを変えます。
C=Sε0/d
d<<√S、とします。
片方の電極のQのみによる電界は、上の条件とガウス定理より、
E=Q/(2(ε0*S))
この電界ともう一方の電極のーQによる力F(=E*Q)が仕事に寄与する。
d-->d+⊿d
での仕事W1は、
W1=∫(d、d+⊿d)F*dx
=∫(d、d+⊿d)E*Qdx
=E*Q*⊿d
=(1/2)⊿d*Q^2/(ε0*S)--(1)
コンデンサの静電エネルギーの増加分。
外部からした仕事=静電エネルギーの増加
コンデンサエネルギーの増加分
W2=(1/2)Q^2((d+⊿d)/Sε0ーd/Sε0)
=(1/2)⊿d*Q^2/(ε0*S)--(2)
当然ながら
W2=W1
(2)は(1)からでてきたのですから=は当然。
静電エネルギーの増加=外部がした仕事
■他の回答
①
コンデンサーは,充電することにより,充電0の時と比べて,電極と分極した誘電体が引き合い安定します.
このコンデンサから誘電体を引き出すにはある時間持続して,力をかけて外に引き出す必要があります.その力の時間積分が引き出すためのエネルギーです.(抜くとき電極が誘電体を引っ張ります.磁石のS極ともう一つの磁石のN極が引っ張るように.)もし,途中で,引っ張るのを止めると,誘電体はエネルギーの低い方に戻ります.(つまりコンデンサーの電極間へ)
ある電荷量を充電完了したまま誘電体を抜くと,コンデンサの電圧は上昇しますのでエネルギーも上昇します.
この電圧上昇はコンデンサの電荷量が一定のまま静電容量を減少させたのですから,V=Q/Cから容易にわかります.
この時のコンデンサのエネルギーの増加分は誘電体を引き抜いたときに加えたエネルギーの一部です.
返信
ありがとうございます。
最後の計算の結果はわかっています。
どのようなメカニズムでエネルギーが
コンデンサに流れるのか知りたいのですが。
②
正の電極には正の真電荷があって、その直近の誘電体側には負の分極電荷があります。誘電体を引き抜くことは、負の分極電荷を正の真電荷から遠ざけることを意味しますから、エネルギーを要します。負極側も同じです。
そのエネルギーは力を加えた誘電体に行くような気
がします。コンデンサにエネルギーが流れるメカニ
ズムのシナリオはありませんか?
そうですね。誘電体を引き抜くとき誘電体内部では分極が解消されますから誘電体内のエネルギーは減りますが、電極側で増えるエネルギーの方が大きくて、その差がQ²/(2C)-Q²/(2Ce)ということだと思います。もう少し良い説明を思いついたら再度書き込みます。
③
回路を切り離すからQ=一定ですね。
Q²/(2Ce)>Q²/(2C) でしょ。誘電体は極板から引力を受けてるので引き出す時の力(外力)の仕事量は正ですよね。
さっそくありがとうございます。
平板コンデンサの容量は C=εS/d なので
普通Ce>C だから Q²/(2Ce)<Q²/(2C)
と思います。
それと引き出す時の力は誘電体の
エネルギーを加えるように思ってしまう
のですが。
Q²/(2Ce)>Q²/(2C) でしょ
W=(Ce*V)²/(2Ce)-(C*V)²/2C=(Ce*V²/2)-(CV)²/2
比誘電率分誘電体を引き出す前の方がWが大きいと思います。
いやいや!! ε=εs ε₀, 普通 εs>1で、
Ce>C でしょ?
ε=εs ε₀そこまで書かなかったけどCe>Cには違いない。
最初にQ²/(2Ce)<Q²/(2Cだと言うから。