ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/5/2)投稿日:2013/12/4
一般にOP AMP内の位相補償用のCはVout部分にはつながない。これはどうしてだろうか?
図1 LM324
CをVoutからとっているOP AMPは見たことがない。OP AMPのオープンループf得を決めるこの部分は、Cによるフィードバックで成り立っている。この部分のオープンループf得は、OP AMPのオープンループf得よりはるかに高い周波数特性が必要となる。というのは、この部分の閉ループ応答が、OP AMPのオープンループf特となるからである。
このため、ループ内に出力部分を含めると、f得が悪くなってしまい、OP AMPの位相余裕が小さくなってしまうのである。出力BJTはエミッタ面積も大きいため、寄生容量Cπやベース広がり抵抗も前段のものより大きい。このためf特も悪い。
図2 Cによる位相補償回路
図2はCによる位相補償部分を示す。オープンループ特性Gは、
G= gm*Rc*Ri/(Ri+1/(jωC)+Rc) ---(1)
となるが、Rc,Riなども実際はf特をもっている。Riはエミッタフォロワ2つのf特をもつ。出力部分を含めると、さらにf特が悪くなり危険なのである。場合によってはこの部分で発振するかもしれない。
出力部分を含めないで、つまり、できるだけ少ない素子で内部の基幹となるフィードバックループを構成する、という選択である。これがOP AMPのオープンループf特を決めるのであるから・・・