古典NFトランジスタアンプの前向きゲインとフィードバック抵抗の関係
図1
トランジスタ回路で、帰還部分が図1のようになる場合、トランジスタのπ型等価回路で、ベースーエミッタ間抵抗をRπとすると、小信号等価回路では、
帰還率K=RF2/(RF1+RF2)
帰還等価抵抗RT=RF1//RF2
β=ic/ib
とすると、Q1のコレクタ電流icは、
ic=gm*(viーvo*K)*Rπ/(Rπ+(β+1)*RT)
ですから、
参考
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n224280
gm*Rπ/(Rπ+(β+1)*RT)
が1段目の前向き相互コンダクタンスとなります。常温で
gm=38*Q1のコレクタバイアス電流
Rπ=β/(38*Q1のコレクタバイアス電流)
です。
Rπ>>(β+1)*RT
ですと、前向き相互コンダクタンスはRTに関係なくなりますが、
Rπ<(β+1)*RT
になってしまうと前向き相互コンダクタンスはRTが大きくなるほど小さくなってしまいます。
つまり、RTすなわち、RF1,RF2をあまり大きくすると、Q1の前向き相互コンダクタンスが小さくなり、ループゲインが小さくなってしまい、歪が大きくなると思います。
あまり小さいと、voの負荷になりすぎ、大きいとループゲイン減少です。Rπ>β*RTくらいがいいのかと思います。
■真空管の場合
IN抵抗が高いので、上の問題はないと思います。
■現代トランジスタアンプ
初段が差動回路で攻勢されている場合、FETならIN抵抗が高いので上の問題はないと思います。しかし、バイポーラトランジスタ(BJT)の場合、IN差動抵抗Rdはおおきくないので、上の問題が出てきます。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n250254
非反転増幅回路で考えると、Avをアンプげいんとすると、正味の前向きゲインAvrは、
Avr=Av*(viーK*vo)*Rd/(Rd+RT)
となり、Rd<RTとなると小さくなっていきます。
RT>Rdであればあるほど、ループゲインが小さくなり、性能が下がってきます。
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