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差動アンプの解析

 

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/3/27)投稿日:2013/9/25    
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     差動アンプの解析

OPAMPを使った差動回路に関するどこにも書いていない解析

  

  図1は差動アンプである。この動作を考える。 

 

              図1 差動アンプ
 
  図1を変形すると、図2になる。


         図2 テブナン等価回路による図1の変換
 
 
 
  OP AMPの+端子電圧はー端子電圧にほぼ等しいので、
 
 
 
  V2*R2/(R1+R2)+Vo*R1/(R1+R2)
 
  ≒V1*R4/(R3+R4)+Vref*R3/(R3+R4)

 


ここで、

R1=R3

R2=R4

なら、 
 
V2*R2+Vo*R1≒V1*R2+Vref*R1

Vo≒(V1ーV2)*R2/R1+Vref --(1)

 

となる。つまりV1とV2の差が、R2/R1倍され、それがVrefに乗る、ということだ。ゲインと位置が自由に変えられるということ

 

  この回路は情報の平行移動ができるのである。

 
 
 

■同相電圧ゲインの考察

  図2をブロック図にしたものが図3である。さらに、同相電圧Vcmも考慮されている。AdはOP AMPの差動ゲイン、Acmは同相ゲインである。

   

  

           図3 図1の差動アンプ回路のブロック図
 
 
 
  CMRRは差動ゲイン/同相ゲインである。図3のように、Vcmは1/CMRR倍され加算される。同相電圧Vcmによって、
 
 
 
  Vo=Vcm*(Acm/Ad)*(R1+R2)/R1
 
    =Vcm*(1/CMRR)*(R1+R2)/R1
 
 
 
となり、CMRRに応じてVcmに反応することが分かる。
 
 
 
  ここでもし
 
 
 
K1≠K2
 
 
 
ならV1とV2が同じに動いてもVoが生じることになる。つまり同相ゲインが生じる。これは回路定数の不整合からくるのである。この場合の同相電圧に対するげいんは、
 
 
 
(K2-K1)*(R1+R2)/R1
 
 
 
となる。
 
 
 
 
 
  K1=K2であるなら、OPAMPが理想的(CMRRが∞)である場合には、同相ゲインは=0となるのである。
 
 
 
  このように、この差動アンプの同相ゲインは、回路定数の不整合によるものと、OP AMPのCMRRによるものと、2つに起因している
 
 
 

 

  AD829のデータシートから例を図4に示してみる。AD848側でDC、ACの調整をして、図3のK1,K2が同じになるようにしている。

 

 

 

         図4 差動アンプのCMR調整回路例 
   
 
 
   オフセット調整に関しては、
 
http://www.adm.co.jp/download/mtb_4.pdf#search='差動アンプ+オフセット調整'

 


  

AD社資料より

http://www.analog.com/library/analogDialogue/archives/39-05/Web_Ch1_final_R.pdf

のP1-90より

 


             図5 CMRR測定回路

 

■上の式について

参考

オペアンプの特性(問題点)調査

LM324 オペアンプの特性(問題点)調査 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)

オペアンプOPAMPの同相ゲイン観察回路

オペアンプOPAMPの同相ゲイン観察回路 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)