LM386の構造を調べた。差動IN端子とを持ち、それとはべつのNFB部をもつおもしろい構造である。その動作とゲインを、大胆な等価回路から調べた。
■LM386の解析
http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/lm386.pdf
図1 回路図
図2は回路図である。データーシートの図はIN部分がダーリントンになっているが、LM324と同じで正確には図1が正しいと思われる。
図2 ゲイン計算のための小信号等価回路
信号がない場合のvoの平衡点は7pinの電圧である。このときQ1,Q2のエミッタ電流が等しくなる。2pinをGNDにして信号viが3pinに入った場合でも、Q1,2のエミッタ電流が等しいことが平衡条件である。
図2は信号viが3pinに入ったときの平衡条件を求めるための小信号等価回路図である。i1,i2がQ1,2のエミッタ電流である。R=15k、r=1.5kとする。ここで、
i1=i2
が平衡条件である。エミッタ抵抗(1/gm1,1/gm2)は小さいとして無視した。
ゲインは21であることがわかる。r=150ではゲインは201である。
データーシートには、「利得調整は抵抗( またはFET) をピン1 からグラウンドへ容量的に結合することによっても行なうことができます」とあります。
図3 R2追加によるゲインアップ。
これを計算してみる。
ゲインがR/R2だけ上がる。