ライター:misao007009さん(最終更新日時:2017/4/15)投稿日:2017/4/15
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ド・ブロイ波に関する質問である
■質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13172718333?fr=chie_my_notice_ba
h/λ=mvについて、右辺のvはどの系からみた速度ですか?またはどの系から見ても等式は成り立つのでしょうか?h:プランク定数、λ:ドブロイ波の波長、m:質量、v:速度
■回答
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相対論的に考えると、どうなるか?
ということですね!
どの慣性系からでも成り立つと思います。
そのとき、v、λはその慣性系で測ったものです。
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p、v、k(2π/λ=√(kx^2+ky^2+kz^2))
をベクトルとすれば、
(h/2π)k=p=mv
そして、
(h/2π)(2πf)=(h/2π)(ω)=E
を加えると、
(kx、ky、kz、ω)
(mvx、mvy、mvz、E)
は4元ベクトルになり、ローレンツ変換に従うとすれば、この方程式はあらゆる慣性系で成り立つ。
というのはどうですか?
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関連質問として、こんなのありました。おもしろいですよ。見てみてください。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8654296.html
■質問
ド・ブロイ波のエネルギーEとして、E=hν=1/2mv^2が正しいのか、E=hν=相対論的エネルギー≒mc^2+1/2mv^2が正しいのか。
■回答
前に自分がつまったところと関係してそうですね。
mc^2に相当する振動数をν0とすると、相対論的エネルギーは
E = hν0 + hν
が正しいらしいです。これだと、非相対論的な式
E = hν
とはmc^2 = hν0だけ値が異なってしまい、
振動数もν0とν0+νで異なる事になってしまいますが、
振動数は差でしか求められない物なので、
hν0の差がでても観測にかからないので問題ないそうです。
という事なので、速度が遅い近似で相対論的なエネルギーは
E = hν0 + hν = mc^2 + (1/2)mv^2
非相対論的なエネルギーの式は
E = hν = (1/2)mv^2
で、どちらにしてもド・ブロイ波のhνというエネルギーは全エネルギーから静止エネルギーを引いた分に相当するようです。
群速度と位相速度についてですが、量子力学の自由粒子の解はh=プランク定数/2πとして
e^[i (kx - wt) ] = e^[ i { (p/h)x - (E/h)t }]
なので位相速度は
vp = E/p
群速度vg は粒子の速度。
相対論的には
p = m vg / √[1-(vg/c)^2 ]
E = √[ (mc^2)^2 + (pc)^2]
なので、
vp = E/p = √[ (mc^2/p)^2 + c^2 ]
(mc^2/p)^2
= m^2c^4 ([1-(vg/c)^2 ]/ (m vg)^2 )
= (c^2/vg)^2 - c^2
となるので
vp = c^2/vg
p<<mcという近似をすれば
E = mc^2 √[1 + (p/mc)^2 ] ~ mc^2 [ 1 + (1/2)(p/mc)^2 ] = mc^2 + p^2/2m
となるので、
vp = E/p = mc^2/p + p/2m
ここから静止エネルギーからの寄与分の第一項を落したものが非相対論的な
vp(非相対論) = p/2m = (m vg)/2m = vg/2
こんな感じで、エネルギーがらみのものはすべて静止エネルギー分、相対論と非相対論で絶対値が変ってしまうのですが、それで問題はないらしいです。
どちらが本当に正しいかと言われれば、非相対論は相対論の近似でしかないので相対論の式のほうが正しいのでしょう。ですが、非相対論の世界では静止質量を無視しても世界はちゃんと回っているので、静止質量を無視して考えても特に困難は生じないということなんでしょうね。(これはmc^2が小さいから無視するという意味ではない。大きさで言ったらmc^2は莫大なエネルギーです。)
本質的なところは正直よくわかってないので、あいまいな言い方に終止しますが。
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/特殊相対性理論#.E9.80.9F.E5.BA.A6.E3.81.AE.E5.90.88.E6.88.90.E5.89.87