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電磁気学①コンデンサに溜まる静電エネルギー

ライター:miranda17jpさん(最終更新日時:2014/9/4)投稿日:2014/8/24


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コンデンサに溜まる静電エネルギー
W = (1/2)QV
について考察しました。W = QVでよさそうなものだと、私は最初思いました。なぜ、1/2になるのかについて考察しました。

■まずは、イメージ理解
まずは、イメージ理解が大事である。数式は、イメージをそのまま式にするだけだから。
私は現状、これを以下のようにイメージ理解している。

■現状(2014/8/25)の私なりのイメージ理解
片方の電極から、もう一方の電極へ、電荷⊿Qを移動することを考える。⊿Qを取り去られた電極には-⊿Qの電荷が残る。
⊿Qを非常に微小にとることにより、+⊿Q、-⊿Qの引力による仕事を無視し、Vn-1=Qn-1/Cによる仕事のみ考慮する。
⊿QはQn-1からの斥力、-Qn-1からの引力に逆らってのみ仕事をすとるとする。
すると、この仕事(エネルギー)は
⊿Wn = ⊿Q*Vn-1 = ⊿Q*Qn-1/C
つまり、⊿Q→0にして積分に移行すれば、
dW = dQ*Q/C
∫dW = ∫dQ*Q/C
W = (1/2)*Q^2/C = (1/2)QV
で表すことができる。
この式のイメージを図示すると、下図
  

          【図①】
 

          【図②】

のようになる。
図①において、本来は青い三角の面積が正しい仕事量を表すのだが、
⊿Qが大きい場合は、、+⊿Q、-⊿Qの引力による仕事を無視するから、図①のようになり、誤差が大きくなることが分かるので、⊿Q→0、十分微小であると近似して、図②になるようにするのである。
そして、Qn = CVnが成立するため、
図より、
コンデンサに溜まる静電エネルギーは
図②の面積になることが分かる。

■なぜ、微小変化法でしか解けないのか
⊿Q、-⊿Qの吸引力による仕事が分からないためである。分かっている事実は、Q = CVだけである。
よって、⊿Q、-⊿Qの吸引力による仕事を無視できるほど微小と置かざるを得ないためである。

■Q = CVとは何か
この問題を考えるのに大事な事実は、
Q = CV
が成立することである。むしろ、分かっているの(使える事実)はこれだけである。

ご存じのように、ガウスの法則は、
ある電荷qから放射される電気力線の本数は、
4πkq
である、
という法則である。
コンデンサ電荷Qが溜まっていて、平衡状態にあるとする。
すると、+Qから、4πkQ本の電気力線が出て、それが-Qに吸われていることになる。このとき、コンデンサは無限平行板で、そこから断面積Sを切り取った金属板だと考える。
すると、電界Eは、
E = 4πkQ/S・・・①
と書ける。
コンデンサの電位差Vは、板間距離をdとおいて、
V = E*d・・・②
である。
①と②より、
E = 4πkQ/S = V/d
Q = (1/4πk)*(S/d) * V・・・③
であることが分かる。
この③が、
Q = CV
である。
③からわかるように、Cは、断面積Sに比例し、板間距離dに反比例する定数である。
また、(1/4πk)は、実はこれが、誘電率である。
誘電体が挟まっていない時の誘電率εoである。

■電気力線の総本数4πkQの由来
これは、クーロンの法則を使って説明することができる。
ある点電荷Qから見て距離dの場所の電界の強さEは、
E = kQ/d^2
になるという法則である。これも、事実なので、使える法則である。
その点電荷Qから距離dにある球面を考えればよい。
その面積は、4πd^2であるから、電気力線の総本数は、
E * 4πd^2 = (kQ/d^2)*4πd^2 = 4πkQ
を導くことができる。
この式より、総本数は点電荷の距離dに関係しないことが分かる。
つまり、電荷の分布のしかたは関係ないのである。コンデンサのように、2つの平行金属板に対しても適用してよいということである。
また、その点電荷Qに引力を与えるQに吸い込まれない限り、電気力線は増えたり減ったりしないことも読み取れる。

別の見方をすると、
E = kQ/d^2 = Q/4πεo d^2
であるから、
電気力線数は、
E*S = (Q/4πεo d^2)*4πd^2 = Q/εo・・・④
とも書ける。
通常は、こちらが使われる。
k = 1/4πεo
と置き、kに無理数であるπを含めることにより、無理数πが外に出てこなくするためである。
さらに、④式は、(クーロン則は点電荷にしか通用しないが、)Qが点でなくてもいい、どんな形でもいい、距離にも依存しないことを感じさせる式である。
そして、
実際そうなのである。

④式は、誘電率が大きいほど、電気力線は少なくなることを表している。
これは、図示すると、図1のように考えることができる。
 

 

              【図1】

分極によって、電気力線が相殺されて減少する。
すると、電荷を運ぶ仕事が楽になる。
よって、容量Cが大きいほど、充放電しやすい、つまり電流が流れやすい(電荷を運びやすい)
ということになる。

■まとめ
上記より、以下のコンデンサの性質を証明できたと考えられる。
①Q = CV
②W = (1/2)QV
コンデンサが無限平行板であったと仮定すると、
容量Cは、断面積に比例し、板間距離に反比例する。
これにより、Cを並列につなぐとインピーダンスが減り、直列につなぐとインピーダンスが大きくなる事実も説明できる。
④容量Cは、誘電率に比例する。
⑤容量Cが大きいと、インピーダンスが小さくなる。

 

 

参考

至急!!静電エネルギーの質問です。以下のサイエンス社の電磁気の参考書について... - Yahoo!知恵袋