難しいコンデンサの問題である。特に「大地に接地」という言葉が使われるが、まったく意味にないことである。そのことを証明してみる。
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12152128297
高校 物理 コンデンサー
この問題なのですが+qに帯電した金属板を挿入してからの現象がよくわかりません。
Aが帯びる電気量も回答によると-qx/d
と記載されていますがよくわかりません。
解説よろしくお願いします。
■解説
この問題の答えを出す前に、まず次の問題を考える。電極面積Sに比べdは小さいとする。この結果、電極電荷Qによる電界Eは、たとえばMの場合左右に、
E=Q/(2Sε0)
となるとしてよい。
図1 A,Bが離れている場合
この場合、導体A,B内での電界が=0になるように内部の電子は動くので、図のようになる。このとき、
qa/(Sε0)=qb/(Sε0)=q/(2Sε0)--(1)
となる必要があるので、
qa=qb=q/2 ----(2)
である。
次にA,Bが導体(金属)でつなげた場合を考える。問題から、qa,qbは外部から入れるものと考える。ここが肝心で接地などというわけのわからない表現は避けるべきである。
図2 A,Bをつないだとき
A,B内では電界=0であるから、
q/(2Sε0)+qa/(2Sε0)+qb/(2Sε0)=0
つまり、
q+qa+qb=0 ーーーー (3)
周回積分=0から、A,B内には電界はないから、
y(qb-qa+q)/(Sε0)=x(qa-qb+q)/(Sε0)
つまり、
y(qb-qa+q)=x(qa-qb+q) ----(4)
(3)(4)から、
y(-q-qa-qa+q)=x(qa+q+qa+q)
y(-2qa)=x(2qa+2q)
qa(-2y-2x)=2qx
qa=ーqx/d ---(5)
次にA,Bに外部から電荷を入れない場合について考える。
図3 外部から電荷を入れない場合
A,B内の電界=0であり、
q/(2Sε0)+qa1/(2Sε0)-qa2/(2Sε0)+qb1/(2Sε0)+qb2/(2Sε0)=0
--ーー(6)
q/(Sε0)+qa1/(Sε0)+qa2/(Sε0)+qb1/(Sε0)ーqb2/(Sε0)=0
----(7)
つまり、
q+qa1-qa2+qb1+qb2=0 ----(8)
q+qa1+qa2+qb1ーqb2=0 ----(9)
これから、
qa2ーqb2=0 ----(10)
q+qa1+qb1=0 ---(11)
導体の全電荷は=0なので、
qa1+qa2+qb1+qb2=0 ----(12)
周回積分を考えるが、導体内は電界=0なので、
x(ーq/(2Sε0)+qb1/(2Sε0)+qb2/(2Sε0))+y(q/(2Sε0)ーqa1/(2Sε0)ーqa2/(2Sε0))=0
----(13)
つまり、
x(ーq+qb1+qb2)+y(qーqa1ーqa2)=0 ---(14)
(10)(11)(12)(14)から、qa1,qa2、qb1、qb2が求まる。
(10)(11)(12)より、
qa1+qa2-q-qa1+qa2=0
qa2=q/2 ----(15)
(14)より、
x(ーqーq-qa1+qa2)+y(qーqa1ーqa2)=0
x(ーqーq-qa1+q/2)+y(qーqa1ーq/2)=0
x(-(3/2)q-qa1)+y(ーqa1+q/2)=0
qa1( -x-y)=q((3/2)x-(1/2)y)
qa1=ーq((3/2)x-(1/2)y)/d
qa1=ーq((3/2)x-(1/2)(d-x))/d
qa1=ーq(2x-(1/2)d)/d ----(16)
この場合、A,Bは等電位であり、それをつないでも何も起こらない。それがどんなに大きくても何も起こらないことに注意するべきである。つまり、それが「大地」であってもだ!
■別回答1(私の不完全な回答)
板の面積をSとします。
A,Bの間の電圧は0だから、
y(Em+Ea+Eb)=x(Em+Ea+Eb)--(1)
無限平板の仮定からM,A,Bが電荷q、qa,qbを
持つとき、板の両側の電界Em、Ea,Ebは、
Em=q/(2Sε0)---------(2)
Ea=qa/(2Sε0)---------(3)
Eb=qb/(2Sε0)----------(4)
A,Bの電荷移動を径路Cだけにすれば、
qa+qb=0---------------(5)
x+y=d----------------(6)
Cの電荷移動だけ考えます。これを解くと解は違うと思
います。
(1)(5)の連立からqaがでます。
y(Em+Ea+Eb)=x(Em+Ea+Eb)--(1)
qa+qb=0-------------(5)
電界の方向を考慮すれば(5)は、
y(q/(2Sε0)ーqa/(2Sε0)+qb/(2Sε0)))=x(q/(2Sε0)+qa/(2Sε0ーqb/(2Sε0))
y(qーqa+qb)=x(q+qaーqb)---(1)’
(1)’(*)から、
y(qーqa-qa)=x(q+qa+qa))
y(qー2qa)=x(q+2qa)
2 qa(ーyーx)=q(x-y)
qa=ーq(xーy)/2d
qa=ーq(2xーd)/2d<----(答え)
で本とは違います。
■
2つの解の違いは、
次の条件
qa+qb=0
qa+qb=-q
のどちらかということからきています。
■(不完全ながら合っている!!!)
私のやり方で、したの条件にしてみました。
どうでしょう?
(1)(5)の連立からqaがでます。
y(Em+Ea+Eb)=x(Em+Ea+Eb)--(1)
qa+qb=ーq-------------(*)
電界の方向を考慮すれば(5)は、
y(q/(2Sε0)ーqa/(2Sε0)+qb/(2Sε0)))=x(q/(2Sε0)+qa/(2Sε0ーqb/(2Sε0))
y(qーqa+qb)=x(q+qaーqb)---(1)’
(1)’(*)から、
y(qーqa+(-q-qa))=x(q+qaー(-q-qa))
y(ー2qa)=x(2q+2qa)
2 qa(ーyーx)=q(2x)
qa=ーqx/d<----(答え)
で合います。
■別回答2(他人)
金属片板Mからはq/εo本の電気力線がでます。そのうちqA/εo本がAに、qB/εo本がBに向かうものとします。
(1) qAを求めることになります。
AとBとは電位が等しくなければなりませんから、
(qA/εo)(d-x)=(qB/εo)・x
また
qA+qB=q
ですから、
(qA/εo)(d-x)={(q-qA)/εo}・x
(qA/εo)・d=(q/εo)・x
∴ qA=q・(x/d)
したがって、この電荷に相当する負電荷がMに静電誘導されるのでAが帯びる電気量は-qx/dということになるのです。
もし解説が不十分であればその部分をもう一度お尋ねください。
ーーー感想ーーーーー
かなりいい加減である。呆れる。
■別回答3(他人)
二つの平行板コンデンサーが並列になっているのです.(高校レベルではこの見方がわかりやすいのでは?)
平行板コンデンサーの静電容量は極板間隔に反比例するので,AとBが帯びる電気量も(Q=CVでVが同じなので)同様です.よって
qA : qB = 1/(d-x) : 1/x,
qB = qA・(d-x)/x.
これを
qA + qB = -q
に代入して,
qA(1 + d/x - 1) = -q,
qA = -qx/d.
ーーー感想ーーーーー
かなりいい加減である。呆れる。