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対数回路を解析する
図1 対数回路
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/1_7a34.html
に出ている対数回路(図1)を解析する。大事なことは、同じ特性の2つのBJT(バイポーラトランジスタ)のVbeの差を測定し、下のI0の影響をなくしてしまうことである。
■回路機能
Ic1=Vi/R1
Ic2=REF1/R5
Q1のベース電圧Vb1=Vo*R3/(R3+R4) --(1)
Q1のベースーエミッタ間電圧Vbe1=Vb1-Ve --(2)
Q2のベースーエミッタ間電圧Vbe2=-Ve --(3)
ショックレーの式
Ic1=I0*exp(Vbe1/Vt)
Ic2=I0*exp(Vbe2/Vt)
I0:温度に強く依存する
Vt=kT/q
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
q:電子の電荷
より、
Vbe1=Vt*In(Ic1/I0) ---(4)
Vbe2=Vt*In(Ic2/I0) ---(5)
In(X)はLoge(X)
(2)(3)(4)(5)より、
Vt*In(Ic1/I0)=Vb1-Ve
Vt*In(Ic2/I0)=-Ve
Vb1=Vt*In(Ic1/Ic2)
(1)より、
Vo*R3/(R3+R4)= Vt*In(Ic1/Ic2)
Vo=((R3+R4)/R3)*Vt*In(Ic1/Ic2)
=((R3+R4)/R3)*Vt*In((Vi/R1)/(REF1/R5)) --(6)
となり、個々のトランジスタにより大きく異なり、また温度に大きく依存するI0の影響をなくせる。しかしVt=kT/qであるので温度依存性はある。
■回路解析
図2 図1の回路解析
まず図1の左側である。これを図2に示す。Vb1を確定したとすると、この回路は、
Ic1=Vi/R1
となるようなVeを作り出す。
図3 図1の回路解析
そして、図1の左側の回路は図3のようになり、Vb1により、図2の部分でVeが変化するので、
Ic2=REF1/R5
になるようにVb1が決まる。このようにして、Q1にはVi/R1、Q2にはREF/R5の電流が流れ、Vb1はQ1,Q1のVbeの差電圧となる。その(R3+R4)/R3ばいがVoである。
C1,R2、C2は発振対策である。
■実例
http://cds.linear.com/docs/en/datasheet/10513fa.pdf