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対数回路の解析

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/18)投稿日:2014/5/9

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       対数回路 

 

       ある質問者の画像

 

  対数回路を解析する

 

       図1 対数回路

http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/1_7a34.html

に出ている対数回路(図1)を解析する。大事なことは、同じ特性の2つのBJT(バイポーラトランジスタ)のVbeの差を測定し、下のI0の影響をなくしてしまうことである。

 

■回路機能

 

Ic1=Vi/R1

Ic2=REF1/R5

Q1のベース電圧Vb1=Vo*R3/(R3+R4)  --(1)

Q1のベースーエミッタ間電圧Vbe1=Vb1-Ve --(2)

Q2のベースーエミッタ間電圧Vbe2=-Ve    --(3)

 

ショックレーの式

Ic1=I0*exp(Vbe1/Vt)

Ic2=I0*exp(Vbe2/Vt)

I0:温度に強く依存する

Vt=kT/q

k:ボルツマン定数

T:絶対温度

q:電子の電荷

より、

Vbe1=Vt*In(Ic1/I0)          ---(4)

Vbe2=Vt*In(Ic2/I0)          ---(5)

In(X)はLoge(X)

(2)(3)(4)(5)より、

 

Vt*In(Ic1/I0)=Vb1-Ve 

Vt*In(Ic2/I0)=-Ve   

 

Vb1=Vt*In(Ic1/Ic2)

(1)より、

Vo*R3/(R3+R4)= Vt*In(Ic1/Ic2)

Vo=((R3+R4)/R3)*Vt*In(Ic1/Ic2) 

=((R3+R4)/R3)*Vt*In((Vi/R1)/(REF1/R5))   --(6)

となり、個々のトランジスタにより大きく異なり、また温度に大きく依存するI0の影響をなくせる。しかしVt=kT/qであるので温度依存性はある。

 

      

 

■回路解析

 

       

            図2 図1の回路解析 

 

  まず図1の左側である。これを図2に示す。Vb1を確定したとすると、この回路は、

 

  Ic1=Vi/R1

 

となるようなVeを作り出す。

          図3 図1の回路解析

 

  そして、図1の左側の回路は図3のようになり、Vb1により、図2の部分でVeが変化するので、

 

Ic2=REF1/R5

 

になるようにVb1が決まる。このようにして、Q1にはVi/R1、Q2にはREF/R5の電流が流れ、Vb1はQ1,Q1のVbeの差電圧となる。その(R3+R4)/R3ばいがVoである。

 

  C1,R2、C2は発振対策である。

 

 

■実例

http://cds.linear.com/docs/en/datasheet/10513fa.pdf