円筒座標でのマクスウェル方程式の解法
円筒座標で解く。Eはz成分のみ、Hはz成分無し。ベッセルの方程式が出てくる。
ベッセル関数
https://ja.wikipedia.org/wiki/ベッセル関数
真空で電荷、電流なしでのマックスウェルの方程式は次のとおり。
divB=0 (1)
rotE+dB/dt=0 (2)
divE=0 (3)
rotB-(1/c^2)dE/dt=0 (4)
ε0*μ0=1/c^2
E,Hで書けば、
divH=0 (5)
rotE+μ0dH/dt=0 (6)
divE=0 (7)
rotH-ε0dE/dt=0 (8)
光速c=3×10^8(m/s)ですから、(4)の左辺第2項は
ほとんど静磁界、静電界に近い状態を考察するとき、あるいは、
電流や電荷などのE,B発生の原因となるものの近傍での考察
では、省略してもかまわないことがわかります。
しかし、遠方ではこの解は急激に減衰しますので、この項を
考えたときの解、つまり電磁波解が重要となりますね。
rotはx、y、z座標では、次になる。
--(9)
ここで、z方向に進む平面波を考える。Eはx成分のみ、Hはy成分のみとして、時間波形は正弦波e^jωtとして、スタインメッツ交流理論で考えれば、変数は複素数になり、
*交流理論の完全な証明(スタインメッツの交流理論を証明する)
交流理論の完全な証明(スタインメッツの交流理論を証明する) - SonofSamlawのブログ
--(10)
円筒座標によるdiv、rot演算は次のようになる。
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/20vectr/cpx01.html
より、
--(11)
--(12)
z方向は変化なしとすると、
--(13)
ここで、磁界はz成分=0、電界はz成分のみとすれば、
ーー(14)
スタインメッツ交流理論で、時間変化を正弦波(e^(jωt))とすれば、各変数は複素数になり、
--(15)
整理すると、
--(16)
これは、次になる。
--(17)
さらに、次になる。
--(18)
これらから、Ezに関する方程式は次になる。
--(19)
さらに、整理すると、
ーー(20)
Ezをrのみの関数AとΦのみの関数Bの積と仮定すれば、次になる。
ーー(21)
ーー(22)
ーー(23)
(23)の上の式の解は、ベッセル関数J,Nにより、
A=a*J+b*N --(24)
である。a,bは複素数。
ここで、r-->∞において(23)の上式は次になる。
ーー(25)
(25)式の解は、
A=c(cos+j*sin)+d(cosーj*sin)
--(26)
である。
つまり、r-->∞においてのみ考えると、
j-->cos
N-->sin
に漸近するのであれば、(23)の上の式の解は、
A=c(J+j*N)+d(J-j*N)
となるはずである。
c(J+j*N)はrの負方向に進む解、
d(J-j*N)はrの正方向に進む解である。
ハンケル関数 電磁界解析
ハンケル関数 電磁界解析 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)