ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2017/2/25)投稿日:2014/12/11
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電磁誘導と自己誘導の符号の違いについて
電磁誘導の式、
V=-dΦ/dt
と自己誘導の式、
V=Ldi/dt
では符号が違う。どうしてか?
これは、電圧と電流の座標のとりかたが逆だからである。
■ファラデー則
V=-dΦ/dt ---(1)
と書かれるが、-とはどんな意味か?
図1 ファラデー則の場合の座標関係
図1に座標関係を示す。Φ、i,vは図の方向、極性を正とする。つまり、これらの変数の値が正である場合、図の方向になる。負なら逆方向になる。この関係で(1)式が成り立つ。
つまり、iとΦの正方向を図1としたとき、端子に外部負荷をつないだとき、発生する電圧の方向を正とするように端子電圧の座標としている。
■インダクタンス
図2 自己インダクタンスのときの誘導電圧での座標(vが逆)
(1)式から自己インダクタンスを考える。
Φ=L*i
であるから、
v=ーLkdi/dt ---(2)
であるが、vの極性を図2のように考える。つまり、iが流れ込む方をvの+とする。すると(2)式は、
v=Ldi/dt ---(3)
となる。ファラデー則の場合とvの極性(座標)が異なることに注意。
つまり、iとΦの正方向を図2としたとき、端子に電圧をかけたときに図2の方向に電流が流れる電圧の方向を、端子電圧の正方向としている。つまり、それを端子電圧の座標としている。
回路の場合では、電圧+側から流れ込む電流の方向を正とするからである。