静電シールド問題
伝送線路の問題である
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12164529557
「わかりやすい高校物理の部屋」さんの中の記述について質問があります
写真の記述がそうなのですが、「接地することにより中空部分に存在する帯電体の影響が外部に及ばなくなる」とはどういうことでしょうか?
接地すると静電誘導により外部に分布した正電荷が出て行くのはわかります。すると電波等にどう影響してくるのでしょうか?
これだけわかりやすいサイトを読んでも理解できないなんてどうしようもないですがご教授お願いします
■回答
これではこの現象理解できません。これは不完全なせつめいです。
くわしくは、というか、完全な説明は、
静電シールドの技法
静電シールドの技法 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)
これをこの問題に適用します。
下図のように、金属球Aで電荷Qを囲っただけだと、外部に電界が漏れます。
Aの近くに大きな金属Bがあるとします。すると、AとBの間にもれた電界により電位差が生じます。
そこで、A,Bを導体でつなぐと、A,B間には電位差が無くなります。つまり、A,B間には電界が無く(弱く)なります。つまり、そうなるように、A,B内の電荷が分布します。下図のようになると思います。このとき、Bが大きいほど完全になります。Bが無限に大きいときに、Aからの電界は=0になります。
一般に対象物の付近に無限大の導体を考え、これと導体でつなぐことを「接地する」と言っています。このことを頭に入れておいてください。
わかりやすく言えば、Qによる電界を、A,B内の電荷分布による電界で打ち消しているのです。それは、A,B間がショートされたために同電位になってしまったからです。もし、A,B間に電界が存在すれば、それは電位差があることになり、すぐさま、A,B間に電荷移動が起こります。この動作で、最終的にA,B簡には電位差がなくなり、それは電界がA,B間にないことでもあります。
それは、電荷分布による電界では、周回積分が=0になることが簡単に証明できるからです。ということは、下図のような積分路では周回積分=0,かつ、胴体中の電界=0,かつ、ef導体中は電界=0、つまり積分値=0、であることから、任意のAB間の経路gh間の積分値=0となり電圧はないことになります。
さらに分かりやすい解説。
下図のようにAの外側にCという金属があった場合。
A,Cがつながっていなかったなら、A,C間には電界ができます。
そこで、A,Cをつないだ場合(接地した)、A,C間は同電位になるから、電界は無くなるはず。そのようになるように。電荷はA,C間を移動し、下図のように分布します。
Cが接地する、といわれるものの実体です。
このように、接地するとQによる電界は、A,Cに分布した電荷により打ち消されます。