SonofSamlawのブログ

うひょひょ

オペアンプLM324のgm

ライター:miranda17jpさん(最終更新日時:2014/1/30)投稿日:2013/12/19



BJT勉強中の初心者です。
オペアンプLM324で定義されるgmについて。
間違いありましたら、ご指摘願います。

オペアンプLM324解析関連の知恵ノート一覧については、以下の知恵ノートにまとめてあります。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n234431

オペアンプLM324では、2つのgmについて考える必要がある。
初段全体のgmと、Q9のgmである。

■初段のGm

以下の知恵ノートの
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n227016
「■初段(トランスコンダクタンスGm段)」
で述べたとおり、LM324の初段は、入力差動電圧を電流に変換している。
図1は、LM324の初段の要所を書いたものである。
 
     

                                        【図1】

まず、Q19は、LM324のデータシートより、6μAである。
よって、図1の各BJTのgmは、6μA/(4*26mV)である。

図1の入力V+、V-間に電圧vdがかかったと仮定すると、差動対Q20とQ18のvbeは、図1で、Q17、Q18-2、Q20-2、Q21で分圧されるので、
vd/4
となる。

以下それを証明する。

              

                                    【図2】
図2において、
差動電圧vdが図1の回路にかかった時、差動対の半回路は、図2の左図のように書ける。

図2の真ん中の図は、差動モードに関しての小信号等価回路なので、Q18-2のエミッタは、小信号に対して電位が動かないので、接地できる。
Q18-2は、ダイオードになり、流れるコレクタ電流icは、ほぼvbe*gmなので、抵抗は、約1/gmになる。
よって、図2のとおりこれは、REが抵抗1/gmとなったpnp BJTである。

よって、これより、
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n224280
で、REを1/gmとして、図3→図4の変換により、
図2の真ん中の回路は、図2の右図に置き換えることが出来る。

図2の右図より、差動対の半回路に入力された電圧vd/2は、2つのBJTの同じ大きさのRπ(=β/gm)で分圧されるため、
Q17にかかる電圧は、vd/4となる。

一方で、出力電流は、Q20とQ4のコレクタで合流し、2倍になる。

初段のgmGmとおき、上記を式で表すと、
ic = gm*vbe = gm*vd/4
及び
iout = 2*ic = Gm*vd
より、
Gm*vd = 2*ic = 2*gm*vd/4
Gm = 2*gm/4
となる。
よって、
Gm = 2*gm/4 = 2/4 * 6μA/(4*26mV)
Gm = 6μA/(8*26mV) ≒0.029mS
となる。

■Q9のgm
データシートより、Q9に供給されるバイアス電流は100μAなので、
gm = 100μA/26mV
である。