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オペアンプ(OPAMP) TLC271の電源解析

(最終更新日時:2013/9/23)投稿日:2013/9/22

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OP AMP TLC271の電源解析

オペアンプ 

  

 

質問

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14113736729

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2.BIAS SELECTに接続されている段P12、N11、N12、N13は何故存在するのか
P12からN13にかけての一段は何を目的としているのでしょうか。
別に無かったところで何の問題もないように見えるのですが、
理由があるのであれば教えていただきたいです。

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P5、N6、R7、P8、N7で定電流生成回路を作っており、P9B、P6B、P7B及び
P9A、P6A、P7Aでその電流量を調整しており、
さらにそのバイアスとしてP10、N9およびP11、N10があると考えています。
BIAS_SELECTの役割は、その出力調整だと思ったのですが、
それだとP12-N13はLOW、HIGHでOFF、MIDの時は間の電位になる、ということでしょうか。
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について考える

 

 

データーシートは

http://html.alldatasheet.jp/html-pdf/28862/TI/TLC271/95/4/TLC271.html

  

     図1 等価回路

 

  図1の電源部分を、バイポーラトランジスタ(BJT)に置きかえたのが図2である。MOS FETと基本は同じですから、図が簡単になります。P5のようにベースとコレクタ(ゲートとドレイン)がつなげられたものは図2のようにダイオードに等価となります。図2ではこれで置き換えてあります。

    

     図2 図1をバイポーラトランジスタに置きかえた電源部分

 

  P5の電流が電流ミラーによって、P3、P4に伝達されます。このP5の電流を決めています。電源電圧と温度依存性の少ない電流源をつくっています。詳細はわからなかったのですが、おおよそ解析しました。

 

 

         図3 BIAS SELECTとバイアス

 

  まずBIAS SSELECTがGNDでHIGH BIASのときを考える。このとき、P10はON、N10はOFF、P9A,P9BはOFFとなる。このため図4の等価回路となる。

  

      図4 HIGH BIAS

 

  BIAS SELECTがVDDでLOW BIASの場合を考える。ときは図5になる。このとき、P10はOFF、N10はON、P9A,P9BはONとなる。このとき、等価回路は図5になる。この場合、P5に並列にP6A、P6Bが入り、また、P8にP7A、P7Bが入る。つまり、P5、P8の面積が増えたことになる。つまり、P5、P8の面積が増えたことになる。。この面積の違いが、P5の電流を変化させる。つまり。平衡状態におけるP5の電流はP5とP8の面積(個数)によって制御できる。

    

        図5 LOW BIAS

 

  BIAS SLECT が1V~(VDD-1V)、MEDIUM BIASのときを考える。には図6になる。このとき、P10、N10はともにON、P9AはON、P9BはOFFとなる。 このとき、等価回路は図6になる。この場合、P5に並列にP6Aが入り、また、P8にP7Aが入る。つまり、P5、P8の面積が増えたことになる。その増え方は、図5より小さい。 

  

      図6 MEDIUM BIAS

 

  以上においてP12,N11,N12,N13はなにもやっていません!

 

■P12,N11,N12,N13の役目 

  もし、BIAS SELECTをどこにもつながなかった場合、P12,N11,N12,N13によってフィードバックされMEDIUM BIASになると思われる。P10とN10のベース(ゲート)がかってにMEDIUM状態にされるのだと思います。

  このことを定性的に考えてみます。BIAS SELECTはOPENになっているとします。この状態でバイアスがHIGHであったとします。するとP5の両端電圧は高く、N7のそれは低い状態です。このことは、まだはっきりわかっていないのですが、そういう感じです。すると、P12のベースーエミッタ電圧がN13のそれより大きくなるので、P10,N10のベース電圧は上がります。つまりこれは、LOW BIAS状態になろうとするのです。こうしてBIASがHIGHであれば、P12,N11、N12,N13によりLOW BIASの方向にされ、LOW BIASになってしまうと、同じように今度はHIGH BIASになろうとします。つまり、安定点はMEDIUM BIASしかなくなります。

 

  万が一、つながれなかった場合、中間の状態になるようにすることが必要です。もし、不安定になってしまうと、大変なことになってしまい、賠償金を請求されることもありますから。

  

 ■定電流回路説明

  ここで基本回路を図7に示し、これがどうして定電流になるのかを説明します。

 

        図7 定電流回路説明

 

   

      図8 P5の電流安定点の説明

 

  図7にI1,I2の関係はP5,P8回路とN6,N7回路でことなる。N6,N7回路では、R7のために図のようにグラフは曲がります。これにより、2つの特性曲線には、交点が存在できます。実際にあり得るこれらの電流は、図8の2つの曲線の交点である。P5,P8回路を変更することでこの交点を変えることができる。つまり、P5の電流を変えることができる。 

 

  このような回路では通常、

  

  N6のチャネル幅(面積)>N7のチャネル幅(面積)

 

としておくことが肝心です。トランジスタの面積に変化をつけるのです。同じくらいでは機能しません。このことによって、図8のように2つのグラフは交点を持ちます。N6はこの意味で特別なものです。つまり、他のトランジスタを8個くらい並列にしたものなのです。この回路のことをワイドラーの電流源といいます。