SonofSamlawのブログ

うひょひょ

ホーンスピーカー理解のための音響学

ホーンスピーカー理解のための音響学

  

音響 閉管内空気振動のメカニズム

 

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n142074

につながる 

  

電気に比べローカルな感じがする音響の問題です。閉管内の振動です。いつも下の図が出てきます。

いったいこれって何??? わかりますか???

どうしてこうなるの?

これに答えてみたいと思います。

 

それに、なかなかよい文献も発見しました。

 


              図1

 

 (1)

http://acoust.hwe.oita-u.ac.jp/otsurulab/kaanet/kaanet-1998-02/chap42.html

 (2)

http://www.t-net.ne.jp/~kondoy/lecture/acoustic.pdf#search='体積インピーダンス' 

 (3)

http://www.geocities.jp/waveofsound/

  参照でーーーーす(^^

 

■進め方 

  なぜ上のようになるのか?

  どうして決まった波長の音波しか存在できないのか?

 

 ■準備
  媒質を伝搬する音波を考ええます。このとき、圧力pと単位面積での媒質の流れvが求めるべき変数となります。振動が伝わる時、p、vは変化するが、

       Z=p/v

は一定であります。これを固有インピーダンスといい、媒質のみで決まります。vの符号はたとえば、右向きが+なら、左向きはーとなります。pの符号は、媒質が気体の場合、音波がないときの気圧からのずれをいうのだと思います。それより高いときが+で、低いときがーですね。

 

 また、断面積Sの管内などを考えた場合、URL(2)によれば、

 

       Za=p/(S*v)

 

を音響インピーダンス、または、体積インピーダンスといい、S*vは体積速度です。 自由空間では、p、vの連続性が要請されますが、館内では、断面が異なる場合でも、この体積速度S*vの連続性を満足させる必要があるため、この音響インピーダンスを考える必要があります。

 

 ここのところ大事なので、URL(1)先にも書いてあったのでそこを引用する。

 

さてここまでの議論では、もう一方の端(x=lx)における条件が考慮されていなかった。この点について議論しよう。

 ここで用いている波動方程式は「一次元」に関するものであり、それを満たす音波は三次元空間では「平面波」となる。「管」は、現実の世界で「平面波」を実現するためによく用いられ、また、以上での説明をイメージすることを助けるためにも便利であった。しかし、(無限大の)剛壁へ平面波が垂直に入射、反射するという仮定が成立するならば、これまでの議論に
音の進行方向の側壁、即ち「管」、は全く必要とされていないことに気付くべきである。

 

               図2


 ところで、開口端は「境界条件」として物理的にどうモデル化できるのだろう? 

 

さらに(1)から引用しよう。 

 

 皆さんの近くにある端が開いたパイプなどを手にしてみよう。媒質は通常、管の内外ともに空気だろう。従ってそれは(2)のモデルではないが、理想的な条件が必要な(1)という訳でもなさそうだ。
 より現実に近い説明を行うために、断面積S1とS2の二つの管が結合しているモデルを想定しよう。このモデルは空調機のダクトの騒音伝搬の解析などで用いられるものである。これらの管内の平面波の伝搬を考えるには、それぞれの管を通じての体積速度の連続を考慮する必要があり、音響インピーダンスとして断面積を考慮した Za = p/Sv (体積インピーダンス、とも呼ばれる)を用いる。
  


              図3

 

  開管は、その開口端において、上記のモデルの極限である断面積無限大の自由空間と結合しているものとみなすのが、より現実的であろう。即ち、外部の体積インピーダンスは 0(ゼロ)とみなせばよい。またZa = 0 面の音圧p はv によらず常に 0となり、これを開口端の境界条件とするのが一般的である。つまり軟壁とみなされている。なおここでも平面波が前提とされている点に注意すること。

 一般に閉管や有孔板の固有周波数や固有モードを求めるには、開口端の境界条件として軟壁の条件であるp=0を採用し、さらに摩擦などによる誤差として管端補正(end correction)δをlxに加えて(2)の各式が用いられている。なおδの値は、直径dの円管の場合、δ=0.8 d とすればよいとされている。

 

■反射係数

 

 音響インピーダンスや音響アドミッタンスで表された媒質での反射係数を考えます。Za1,Ya1から入射した場合を考えます。相手側はZa2、Ya2とします。 境界での入射波をp1、v1、反射波をp1r、v1r、透過波をp2、v2とします。すると連続性から、

 

 p1+p1r=p2          (1)

 S*v1+S*v1r=S*v2   (2)

 

が成り立たなくてはなりません。(1)式は、

 

 S*v1/Ya1ーS*v1r/Ya1=S*v2/Ya2

これと(2)より、

 

 S*v1*Ya2/Ya1ーS*v1r*Ya2/Ya1=S*v1+S*v1r

       v1*Ya2/Ya1ーv1r*Ya2/Ya1=v1+v1r

 

空気流の反射係数:Rv=v1r/v1とすれば、

 

 

  Ya2/Ya1ーRv*Ya2/Ya1=1+Rv

  Ya2/Ya1-1=Rv+Rv*Ya2/Ya1

   Rv(Ya2+Ya1)/Ya1=(Ya2-Ya1)/Ya1

   Rv=(Ya2-Ya1)/(Ya2+Ya1)          (3)

 

■各部の音響インピーダンス

  


      図4

 

 図4のような管を考える。管内部(a部)のYaはYaaとします。

 

 開口部分(c部)では、解放されているため流量Svと、圧力pの関係が、管内部と違ってくる。同じSv変化、つまり体積変化でもpの変化は小さくなる。つまり、管開口部付近でSvの流量があっても、管内部よりはるかにpの上昇がちいさくなる。それは管断面積が大きいためである。つまり、開口部分cでの外部空間側のZacは小さくなる。当然、その逆数であるYacは大きくなる。

    Yac>>Yaa

 

 管のもう一方の端(b部)は閉じているとします。そこでは、どんなに
pが大きくても空気は動けませんので、

    Yab=0

であります。

■反射と定在波

 

パイプ内での進行波に対して、1側から2側に入射したときのvの反射率は(3)式より、

 

(Ya2-Ya1)/(Ya2+Ya1)

 

となる。これよりパイプの中を進んできた音波がb部にぶつかると、反射率

   Rvb=(Yab-Yaa)/(Yab+Yaa)

で反射します。Yab=0ですから。Rvb=-1ですね。つまり、vでぶつかった
音波はーvで戻ります。合計で0ですから、b部ではv=0、つまり流れなし、
つまり節になる。

 一方、c部での反射率は

   Rvc=(Yac-Yaa)/(Yac+Yaa)

で、、Yac>>Yaaなので。Rvc≒1 となります。つまり、ここでの反射は、入射波と同じなので、振動します。つまり腹です。

 ここでの透過率は、

    (2YAc)/(YAc+YAa)≒2

となり、これが外部への放射です。


 節は動かない点、腹は動く点です。

 しかし、何が動くのかです。動く候補は、媒質の流れvと圧力pですね。

 通常問題にしているのは、vみたいですね。


 以上はvを問題にしましたが、pを問題にすると、b部では腹となりますね。そしてc部では節となってしまいます。

 b部ではZabは無限、Rbは1です。つまり、pにとっては腹ですね。vにとっては節だった。

 c部では、Rc=-1です。Zac≒0だからです。つまり、pにとって節です。


 このように、進行波の反射の問題として考えるのが簡単ですね。
反射をくり返す、定在波ができる、ですね。

 このような過程で管長と波長のお関係がある関係であるときだけ、館内のp、vが成長する、それ以外では、長期的にみて、平均的に打ち消しあう、だから、安定に存在できない、ですかね。