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トランジスタ 自己バイアス回路と信号帰還率とゲイン

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/15)投稿日:2013/2/3

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自己バイアス回路の帰還率その影響 

 

         


              図1自己バイアス回路

 

 図1の自己バイアス回路の小信号等価回路を図2に示す。この帰還回路はバイアス電流を安定させるためにあるのであるが、これは微妙に小信号、つまり、vinに対するゲインにも影響する。

 ただ、この回路は、基本的に帰還アンプではない

 

 帰還率kとは、信号をVoutからVinに減算で戻す率をいう。たとえば1/5とか。これを後ろ向きゲインともいう。前向きゲインはアンプの生のゲインである。ループゲインとは前向きゲイン*kである。

 

  

      

         図2 小信号等価回路(帰還率計算用)

 

  

        

         図3 図3と同じ帰還の仕方であるOPAMP回路

 

 その前にまず図3のOPAMP回路の帰還の仕方を見てみる。これは図2の仕方と同じである。このアンプの帰還点は入力部分にない。OPAMPのー端子部分である。(B)は帰還率計算用である。この回路の帰還率kは、C1のインピーダンスをzcとすれば、

 

    k=zc/(zc+R1)

 

となる。そしてVinも、R1/(zc+R1)倍され帰還信号との差がとられ、OPAMPのー端子に入る。よって、ゲインvout/VinはR1/zcとなる。

 図2もこれと同じで、簡単のためにベース(B)のINインピーダンスを無限ととしてしまえば(実際は考慮しなくてはならない)これと同じになる。

 

 ただ、図1の回路の帰還は、バイアス電流安定用なのであり、信号には影響ないようにしてある。実際、信号周波数において、

 

           zc<<R1

となっている。たとえば、100Hzでは、

 

      zc=1/(2π*100*10^-6))=159Ω<<3.3MΩ

 

すると、この周波数では帰還率kは≒0としてもよい。するとゲインは1/kとなるのだが、この値が前向きゲイン(生のゲイン≒42)よりはるかに大きいので、ゲインはkに制約されない。つまり、

 

    アンプの生のゲイン(≒42)<1/k

 

のとき、無帰還アンプとなる。

 

 

 これは当然だ。帰還アンプというのは生のゲインを非常に大きくしておいて、それを 

        1/k

に制限することで、ゲインの精度を高めているからだ。もし、生のゲインが1/k以下であればそれ以上にはなれないのだから、1/kのゲインはえられず、ほとんど、生のゲインになる。