ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2014/2/7)投稿日:2012/12/24
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後ろ向きゲインと前向きゲインの考察です
図1はVoutを初段のエミッタにフィードバックする回路において、初段部分を描いたものです。
信号はすべて小信号とします。バイアスはすでにしてある、といたします。
図1
フィードバック部分ををテブナン電圧と抵抗にすると、図2のようになります。
図2
BJTのエミッタ抵抗(1/gm)をあからさまにしたのが、図3です。
図3 小信号等価回路
ここで BJTのVbeを求めましょう。
Vbe=(VinーVout*R1/(R1+R2))*(1/gm)/(1/gm+(R1//R2))
---------(1)
フィードバック制御において、Vinと差をとるVoutの係数が後ろ向きゲインHとなります。
H=R1/(R1+R2)) -----------(2)
となります。
そして、(VinーVout*R1/(R1+R2))の係数は前向きゲインに掛け合わされるものです。つまり、
(1/gm)/(1/gm+(R1//R2)) -------------(3)
は、前向きゲインに付加(掛け合わされる)されます。もし、1/gm<<(R1//R2))なら、
(1/gm)/(R1//R2) -------------(4)
が、元々のアンプのゲインに付加されるのです。つまり、前向きゲインをあげるには、
(R1//R2)を下げればいいのです。
つまり、このタイプのものは、フィードバック抵抗R1、R2の比は後ろ向きゲインに効き、値は前向きゲインに効くのです。このことは、電流フィードバック型のOPAMPにもいえることで、頭に入れておくべきでしょう。