電磁気学で最も難しい問題である!
■関連質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10157744670
関連質問②
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13157939763
添付図のように一様な磁石の中の微小領域をくり抜いて中に微小な方位磁石を入れたとして、方位磁石のN極は左右どちらを向きますか?
くり抜いた領域の上下前後直近の微小磁石は微小方位磁石のN極を右へ、左右直近の微小磁石は微小方位磁石のN極を左へ引き寄せようとすると思うのですが、それを合計したとき微小方位磁石がどちら向きに力を受けるのか、言えるでしょうか?それとも磁石の形(平たいか、細長いか、等)に依存して向きが変わるでしょうか?
http://hr-inoue.net/zscience/topics/magnet/magnet.html
リンク先図4(b)にあるように、磁力線が磁石の中でもN極からS極へ向かうなら、微小方位磁石のN極は右を向く筈だと思いますが、それは磁石の形にもよるのではないかという気がします。
■回答
すごくいい疑問
http://hr-inoue.net/zscience/topics/magnet/magnet.html
はおもしろい!
永久磁石の場合、内部をくりぬいて磁場(B)を測った場合その磁場Baは、
Ba=μ0H=B-μ0*M
となります。ここで、
Bは周囲のMによる磁束密度、Mは磁化された磁石の磁化です。
B<μ0*M
だから、
Ba<0
です。つまり、磁化とは逆です。これが反磁場です。
このBaは形状でかわります。磁化方向に長い場合小さくなり、幅が広い場合大きくなります。だから、薄い磁石は減磁しやすいのです。
ーーーーーーーーーー
磁石の中で磁束と磁力線が逆向き、BとHが逆向き、というところが難解です。
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Bは実際の磁場です。 磁石がうすっぺらであれば、真ん中のBは小さくなります。 磁石が細長ければ、B=μ0*Mで最高値になります。
どうしてか?というと・・・
一様にMに磁化している磁石を考えます。
ある点での周囲のMからのBmは、その点ではMとは逆向きになっているからです。うすっぺらくなればなるほど、そうなります。これが反磁場であり、テスラの単位では、
Bm=B-μ0*M
です。ここで周囲MからのBmは、
無限長の細長では極限でーー>0
無限の薄っぺらででは極限ではーー>ーμ0*M
これは、定性的に出てきます。
Bmは反磁束密度です。
H≜Bm/μ0
は反磁界です。
■
外部からの磁束密度によってMが生じる場合でも、Bmという反磁束密度がMによって生じます。この場合は外部磁場をB0として、
B=μ0*H+μ0*M
で、
μ0*H=Bm+B0
ですね。これは外部磁場だからです。
B0>0
の場合、
Bm<0
ですが、
B0>Bm
であるので、
H>0
となります。
つまり、BとHの方向が逆であるのは、外部磁場のないところに置かれた永久磁石に限られます。
■返信
有難うございます。
永久磁石のみが存在して他に外部磁場が無い場合だけに絞って考えたとして、 永久磁石の磁化Mは周囲の磁場に依らない固定値なのでしょうか?
周囲のMによる減磁は、(軟磁性体の磁化が周囲の磁場によって変化するのと同様に)その場所の硬磁性体の磁化M自体を減じている訳ではないのでしょうか?
■回答
>永久磁石の磁化Mは周囲の磁場に依らない固定値なのでしょうか?
固定として考えています。しかもMは均一だとしています。
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周囲のMによる減磁は、(軟磁性体の磁化が周囲の磁場によって変化するのと同様に)その場所の硬磁性体の磁化M自体を減じている訳ではないのでしょうか?
ーーーーーーーーー
どの場所のMも不変としています。通常そう考えます。つまり減磁がないとして考えます。この条件で考えています。軟磁性体では、Mは外部磁場に比例する、と簡単化しますが、この場合はMは不動のものとして簡単化します。この条件で上のことが言えます。
それと、空洞の形でもBmは違います。Mのh方向に細長いと、Bm(=μ0H)は負で大きい。うすっぺらだと負で小さい。
また、位置によっても違います。
くりぬいた部分のBはMと逆向きですが、全体が十分細長いと大きさは=0に収束します。うすっぺたいと大きくなります。
全体形状と空洞形状に依存します。
■返信
度々ありがとうございます。
永久磁石のみが存在して他に外部磁場が無い場合だけに絞って考えたとして、
最初にいただいた式:
(くり抜いた微小領域の磁場Ba)
=(周囲のMによる磁場B)-μ0M
について、
μ0Mを引くのは何故ですか?
くり抜いた微小領域の磁場は、全て周囲のMによるのでは無いのでしょうか?
■回答
そのとおりです。ただし、
Bm=B-μ0M
では空洞は無限小です。
空洞の場合、その点のBmは、
Bm=B
です。同時にH=Bm/μ0であり、これは磁界であり、この場合、外部からの磁場はありませんから反磁界でもあります。
しかし、空洞の形により、大きさにより異なります。
この場合、いかなる場合でも、
Bm<0(Mの方向を正とした場合)
です。
■返信
ありがとうございます。
少なくとも空洞が磁場と直交する向きに長いときは、空洞内のBの向きとMの向きは一致しないでしょうか?
■回答
この場合、取り去ったMのみによる磁場は最高値μ0*Mに比べてちいさくなります。無限に薄いときーー>0。
よって、
空洞のB≒空洞ないときのB
ですから、
>空洞内のBの向きとMの向きは一致しないでしょうか?
一致します。
■
もし空洞がM方向にながければ、 空洞内のBの向きとMの向きは逆向きとなります。
極端な例では、下図になり、
aはMとBは同方向、
bではMとBは逆方向
になることは容易にわかります。
■返信
ありがとうございます。いただいた図のような2条件は、この質問をしようと考えたきっかけでした。
そうすると、最初の質問に戻って、磁石の中の微小領域をくり抜いてそこに微小方位磁石を置いたとき、その方位磁石が図の右を向くのか左を向くのかは何とも言えない、ということになりませんでしょうか。
■回答
そうなります。 切り取った磁化の形によります。 下図で、空隙部の磁場Baは、
Ba=Aの値ーCでの値
です。 CでのC内の磁場は薄くなると小さくなり、長くなるとμ0*Mに近づきます。
Aが十分に細長くないとすれば、Aでの空隙部分の磁場は、μ0*Mより小さくなります。そこで、
空隙が薄いとき、空隙内の磁場は>0(M方向)
空隙が長いとき、空隙内の磁場は<0
になります。
■返信
有難うございました。どちらも最初の疑問は解決しました。
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今までMacroscopicのマクスウエルの方程式は電磁気をややこしくしている厄介者で、DやHはわざわざ電磁気をわかり難くしている厄介な物理量だと思っておりましたが、
今回、むしろ、電場と磁場の対応関係は、
B=μ0H+μ0M
D=ε0E+P
と考えた方が素直なのではないか、と感じました。
真電荷が無い場合(電場が自発分極のみに依る場合)を基準に考えれば、BとDが同じ形になります。
静電場の方はたまたま真電荷が存在するからEが主役に取って代わっている、と考えることもできると思います。
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言葉の問題もあってまだちゃんと読んでいませんが、こちらのリンク先の議論も面白そうです。
https://www.physicsforums.com/threads/why-div-b-0-but-div-h-not-nec...
■回答
BD対応ですね・・・
そうすると、式は対称になりますが、Dの意味が・・・
そもそも、実際の磁場、電場にたいするMとPの効果が対称でないからよくないんですよね。
Mはいいんですが、分極Pを巨視的微小近似することが難しいですね。そもそも連続てきな現象ではありませんから。さら分極量も有限だとdivPの計算の時、おかしなことになり(微小領域を分極長さが突き抜ける)ます。
https://www.physicsforums.com/threads/why-div-b-0-but-div-h-not-nec...
divH=-divM
ですね。
(1)divMはいつ≠0か?
(2)反磁性と常磁性でMとBextが平行なのはホント?反、常磁性で線形性と等方性でなければいけない?
(3)強磁性体では、外部磁場ですべての磁区がそろうまでMはBextに平行にならないように見える。
(4)非等方性の例は?
■返信
ありがとうございました。解決しました。
物質中のMAXWELL方程式(巨視的)