有名な問題である、BとHの違いを解説
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知恵袋の質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14138979714/a346168055
磁場と磁束密度の違いについておしえてください
磁束密度いう概念がよくわかりません
どなたか磁場、磁束、磁力線、磁束密度の違いを解説していただけないでしょうか?
例えば、H=I/2πr
、F=mHとあらわされて、kやμなしにコイルのおよぼす磁力が決まりますが、実際はそんなはずありませんよね?
■回答
この問題は難しいです。
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/32denjk/000denjk.html
電磁気学は2つの整理の仕方がありまが、現実的な考え方で言います。
磁束密度Bが実際の磁気的な場の方向と強さです。
そして、磁界Hは副変数であり、次のように定義されます。なくてもかまいません。
H≜B/μ0-M
Mは磁性体に磁化です。
言葉で言えば、磁性体のないところでは、
H/μ0
磁性体のあるところでは、そこのBからμ0Mを差し引いたものの1/μ0にすぎません。
実際にそこにあり、測定されるものはBなのです。磁場の強さはBであり、Hには意味ありません。
B=μ*I/(2πr)
です。μが反映されています。
ローレンツ力はeBvであります。
B-HカーブはBと(B-μ0M)の関係ということ。つまり、
磁性体に外部からかけられた磁束密度B0(B-μ0*M)とMとB0を合わせた磁束密度BTの関係です。
それを昔の慣例に従えば、BTとH=B0/μ0の関係として示しているだけなのであり、Hは必要ありません。
Hは電機と磁気が対称的に整理されていた時代のなごりから、そのまま使い続けられているだけです。B,Mのみでもいいのです。
ただ、
H=B/μ0-M
Mが外部磁束密度(B-μ0*M)に比例するとすれば、
M=k*(B-μ0*M)
M(1+k*μ0)=k*B
M=(k/(1+k*μ0))*B
これを、
M=A*B
とかくと、
H=B/μ0-A*B
=(1/μ0ーA)*B
つまり、
B=(μ0/(1-μ0*A))*H
ここで、
μ=μ0/(1-μ0*A)
とし、透磁率と呼ぶ。これにより、B,Mに関する式を、
M=A*B
より、B,Hの式にでき、さらに
B=μ*H
の関係でB,もしくはHのみの式にできる。
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B,M,磁化率
という実際の変数を、
B,H,μに変換する変数変換なのです。このHを導入すれば、方程式は簡単になります。アンペール則は、磁性体があろうと、
∲H・dl=I
と簡潔になります。これはBでかけば、
∲(B/μ)・dl=I
となり、実際にはこの形で使われます。
この意味で、Hは便宜上の変数で、実際の意味はありません。
これはE-B対応、という考え方です。