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オペアンプOPAMP LT1077の回路図と回路解析

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/5/17)投稿日:2016/5/13

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オペアンプOPAMP LT1077の回路図と回路解析     中国ナロー機関車.jpg

 



 

LT社のマイクロパワー、Is=60μAのOPAMP、LT1077の回路と動作を調べた。

 

■データシート

http://cds.linear.com/docs/en/datasheet/1077fa.pdf

LT1077 - マイクロパワー単一電源高精度オペアンプ


特長
  • 超低消費電流:60μA(MAX)
  • 低オフセット電圧:40μV(MAX)
  • 低オフセット電流:350pA(MAX)
  • 低電圧ノイズ:0.1Hz~10Hz 0.5μVP-P
  • 低電流ノイズ:0.1Hz~10Hz 2.5pAP-P
  • オフセット電圧ドリフト:0.4μV/℃
  • 利得帯域幅積:250kHz
  • スルーレート:0.12V/μs
  • 単一電源動作
  • 入力電圧範囲はグランドまで
  • 出力振幅は電流シンク時グランドまで可
  • プルダウン抵抗不用
  • 出力は5mA負荷電流をソースおよびシンク

 

 

 

概要

  LT1077は、マイクロパワーの高精度オペアンプで、+5V単一電源動作に最適な設計となっています。±15V時でのスペックも規定されています。

  競合製品のマイクロパワー、オペアンプとしても性能は、精度、ノイズ、スピードおよび出力ドライブ・スペックなどを大幅に犠牲にして実現されています。LT1077は他のパラメータを犠牲にしないで消費電流を低減することに最も注意を払って設計されています。オフセット電圧は、他のあらゆるマイクロパワー・オペアンプより低くなっていて、オフセット電流、オフセット電圧、スルーレートおよび利得帯域幅積なども、従来のマイクロパワー・オペアンプより2倍~10倍優れたものとなっています。

電圧ノイズ・スペクトラムの1/fコーナ周波数は0.7Hzで、その周波数ノイズ(0.1Hz~10Hz)は、より大きな消費電流を費やす他の製品より大幅に小さくなっています。

  LT1077は従来の高精度オペアンプと完全にピンコンパチブルになっていますので、多くの応用において性能を低下させることなくマイクロパワーを実現することができます。

  LT1077は単一電源で動作します(リチウム電池1個、またはニッカド電池2個)。入力電圧範囲はグランド以下に設定できます。すべてのNPN出力段は、グランドの数mV以内に振幅させることができます。電流シンク時でも、消費電流を浪費するプルダウン抵抗は必要ありません。

 

 

■仲間たち

オペアンプ OPAMP  NE5532の回路図と回路解析

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n130623

オペアンプ OPAMP  LM318 の回路図

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n63348

オペアンプOPAMPAD797の秘密

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n383964

オペアンプOPAMP LT1028の回路図と回路解析

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n384193

 

 

■全体像

 

          図1 等価回路図

 

         図2 バイアス回路を省いた図

          図3 主要な部分以外は削除した回路図

     

      図3-2 さらに図3からOUT部分から電流制限部分や

           非線形動作部分を除いたもの

 

■詳細な調査 

          

       図4 OUT部分のメカニズム

    

        図4-2 Q35のエミッタ電流制御部分

       

  図4、図4-2にOUT部分のメカニズムを示す。Q35のエミッタ電流を検出して、これが最低値を下回らないようにQ36を制御されている。C1によるNFBループによるOUTはQ35が決めるので、これを殺してはいけないのでQ35のエミッタ電流は流さなければならない。いかなる場合でもQ35のエミッタ電流は流される。

           図5 シンク電流

 

  図4は上の機構ををさらに高精度化していると思われる。

 

  

                 図6 ソース、シンク電流制限機構

 

  図6はOUT部分のソース、シンク電流制限機構を示す。①のQ35の30Ωははソース電流を検出し制限する。②のQ38はシンク電流を検出し、Q8のベース電圧を上げ、OUT電圧を上げるようにしてしまう。

 

■その他の細部説明

 

             図7 図2の再現

 

  図7において、

Q12はQ7,8のベース電流補償であり、通常のエミッタフォロワによるものとは異なる。

Q39は異常動作防止用か?

Q29はQ36の最低電流を決める。