e^(ix)=cosx+isinx
の証明である。
この本からの引用をメインに考えていく。
*この本の証明は、下の参考ブログにあるオイラー自身の記述に近い。
参考 ブログ
ネイピア数 e について - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)
オイラーによるオイラーの公式の記述 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)
■証明のあらすじ
①lim(nー>∞)(1+ix/n)^n=cosx+isinx
(これはいい)
しかし、
②lim(nー>∞)(1+x/n)^n=e^(x)
から、
③lim(nー>∞)(1+ix/n)^n=e^(ix)
【上記本では定義とされているが、拡張??記号的、印的意味?】
という説明がある。
しかし③が納得できない。
つまり、厳密には、
lim(nー>∞)(1+ix/n)^nーー>cosx+isinx
形式的には、lim(nー>∞)(1+x/n)^n=e^(x)から、
lim(nー>∞)(1+ix/n)^n=e^(ix)
そこでだが・・・
これがいえればいいと思う。これだけで・・・
■掛け算で正しい!(サムの考え)
e^(ix)e^(iy)=(cosx+isinx)(cosy+isiny)
を考え、
左辺は、
e^(ix)e^(iy)=e^(ix+iy)
=cos(x+y)+isin(x+y)
右辺は、
(cosx+isinx)(cosy+isiny)
=cosxcosyーsinxsiny
+i(sinxcosy+sinycosx)
=cos(x+y)+isin(x+y)
であるから、掛け算でも等式は矛盾ない。足し算は言うまでもない。
■微分でも正しい(サムの考え)
e^(ix)の微分はie^(ix)
cosx+isinxの微分は-sinx+icosx
合っている!
だから正しい。
どうだろうか?
■e^(ix)の意味(上の本から)
において、x-ー>iΘとしてe^(iΘ)の定義とする。すなわち、
をe^(iΘ)と定義する。
はすべて複素数の加減乗除であるから、ある複素数となるわけである。
n->無限でcosΘ+isinΘに近づくことを証明すればいい。
■それの証明(上記本から)
■まず右辺である
①lim(nー>∞)(1+iΘ/n)^n=cosx+isinx
を証明する。
(1+iΘ/n))^nの偏角と絶対値を求める。
まず、Θ>0と仮定しよう。
arg(1+iΘ/n))^n=n(1+iΘ/n))
図1
ここで、Θという長さの線分を2等分して、半径1のの円の外側に接する折れ線を作った時、その先端の偏角になる。
arg(1+iΘ/n)<Θ/n
次の点線の長さを求める。これは外側の折れ線に
1/(√(1+(Θ^2/n^2))
をかけたものである。
間に挟まれたarg(1+iΘ/n)^nはこれより大きい。すなわち、
Θ/√(1+Θ^2/n^2)<arg(1+iΘ/n)^n<Θ
次の絶対値である。
|(1+iΘ/n)^n|=|(1+iΘ/n)|^n
=(1+Θ^2/n^2)^(n/2)
一方で、
(1+Θ^2/n^2)(1ーΘ^2/n^2)
=1-Θ^4/n^4<1
であるから、
(1+Θ^2/n^2)^n<1/(1ーΘ^2/n^2)^n
また、
(1ーΘ^2/n^2)^n>1-nΘ^2/n^2=1-Θ^2/n
であるから、上の式は、
<1/(1-Θ^2/n)
すなわち、
1<|(1+iΘ/n)^n|<1/(1-Θ^2/n)
以上の2つから、
lim(nー>∞)arg(1+iΘ/n)^n=Θ
lim(nー>∞)|(1+iΘ/n)^n|=1
つまり、(1+iΘ/n)^nは偏角がΘで、絶対値1の複素数に近づく。そのような数は、
cosΘ+isinΘ
である。Θ<ーのときはx軸を軸として対称のいちにくるだけの違いにで証明は同じである。
すなわち、
lim(nー>∞)(1+iΘ/n)^n=cosΘ+isinΘ
■左辺(サムの考えであり、上記本にはない)
②lim(nー>∞)(1+iΘ/n)^n=e^(iΘ)の証明
f(ix)=lim(nー>∞)(1+ix/n)^n
とする、ここで、f(ix)とf(iy)の積をかんがえる。
f(ix)f(iy)
=lim(nー>∞)(1+ix/n)^n(1+iy/n)^n
=lim(nー>∞)((1+ix/n)(1+iy/n))^n
=lim(nー>∞)((1+i(x+y)/nーxy/n^2)^n
=lim(nー>∞)((1+i((x+y)/n)(1ーxy/((x+y)n))^n
=lim(nー>∞)((1+i(x+y)/n)^n
つまり、f(ix)f(iy)=f(ix+iy)
また、f(ix)の共役=lim(nー>∞)(1ーix/n)^nだから、
f(ix)*f(ix)の共役
=lim(nー>∞)(1+ix/n)^n(1ーix/n)^n
=lim(nー>∞)(1+(x/n)^2)^n=1
微分すると、
f’(ix)
=lim(nー>∞)n(1+ix/n)^(nー1)(i/n)
=lim(nー>∞)i(1+ix/n)^(nー1)
=if(ix)
e^(ix)を微分すると、
lim(h->0)e^ix(e^ihー1)/h
xが小さいとき、
e^x≒1+x(eの性質)
さらに、
e^ix=1+ix
から、e^(ix)の微分は、
lim(h->0)e^ix(e^ihー1)/h
=ie^ix
このような関数f(ix)はe^(ix)しかない、というか、形式的に印としてそうしておいてもかまわない。
よって、
f(x)=e^(ix)=cosΘ+isinΘ
とすることで、形式的、もしくは「印」としてなりたつ。つまり、計算は印的である左辺で行い、最後の計算は右辺で行うのである。
これは、信号処理で、ラプラス変換やz変換が途中の整理に有効であることに似ている。
■lim(n->∞)(1+x/n)^n=e^xの証明(上記本から)
an=(1+x/n)^n
と置くと、これを2項展開で展開すれば、
ここで第一二項までは変わらないが、第三項以下を比べてみると、次第に大きくなっている。
つまりnがぞうかするにつれ、anは次第に増加する。しかし、それは限りなく増加するだろうか?
an=(1+x/n)^n
のなかのn/xを越さない最大の整数をmとする。ガウス記号では、
m=[n/x]
である。
であるから、
を上に代入すると、
また、
すなわち、
ここでnーー>+無限とすると、[n/x]=mもーー>+∞になる。
だから、その間に挟まれた(1+x/n)^nもe^xに近寄る。
■上の証明の概略
■しかし
と形式的にしてみても、「i乗」というものがわからない。だから上のようには証明できない。
そもそも、
が、計算できない。これが=eであることを証明できるだろうか?
■さらにこう考えてみる。
であり、f(x)=e^xであるから、
となることがわかる。ここで、
だから、上の式はh->0でe^(kx)の微分になり、
これがke^(kx)になることから、
であることがわかる。つまり、x->0で、
e^(kx)≒1+kx
となる。
そこで、e^(ix)をかんがえると、x->0では、
e^(ix)≒1+ix
となる。
(やはりテイラー展開で考えないといけないのか・・・)
つまり、
(e^(ix))の微分=ie^(ix)<--(a)
となる。
■つまり
e^(ix)
と
lim(nー>∞)(1+ix/n)^n
は
演算規則が同じになる。
e^(ix)=cosΘ+isinΘ
つまり、途中計算は左辺で計算し、最後は右辺で結果を計算する。
つまり、左辺は「印」という意味でしかない。
■おまけ
■「オイラーの贈り物」での証明
では、テイラー展開での証明となっている。
さらには、このような証明も出ていた。
A(x)=cosx+isinx
が指数法則、
A(x)A(y)
=cosxcosyーsinxsiny+icosxsiny+icosysinx
=cos(x+y)+isin(x+y)
=A(x+y)
となることから、Aは指数関数(a^(kx))であり、さらに
A*Aの共役=cosxcosx+sinxsinx=1
だから、
a^(kx)*a^(kx)の共役
=|a^(kx)|^2=1
∴|a^(kx)|=1
xは任意の実数であるから、kは実数ならば0であるしかない。
これより、k=0以外を考えると、指数部は純虚数であることがわかる。つまり、
A=a^(ikx)
ここでAの導関数をもとめると、
dA/dx=-sinx+icosx=i(cosx+isinx)=iA
となる。これから、
dA/A=idx
InA=ix+InD(積分定数)
In(A/D)=ix
A=De^ix
となり、
A(0)=1
より、D=1となり、
e^ix=cosx+isinx
を得る。
または、上の(a)式から、
(e^(ix))の微分=ie^(ix)
であるから、
A=e^(ix)が解であることは確かである。
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