ヴァイオリンの力学(あの形状はデザインではない!)
こバイオリンの形状は単なるデザインではなく、力学的な必然のけっかなのである。2つのアーチ(表版と側板)の役割を説明する。
■質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14148563309/a365773402
バイオリンの表板と裏板を平板にしても、
ギターもそうなってることだし、
楽器として、鳴るんじゃないかなと思っています。
わざわざ膨らみをつけなくても、
容積と表裏板厚の調整で鳴る楽器が出来るんじゃないか。
魂柱は、素晴らしい発明ですから、継承しましょう。
そういう観点からバイオリンを研究した人は居ますか。
図1 各部の名称
■回答
駒が表版を強く押すので、橋と同じでアーチ構造にしないとたわんでしまいます。
http://www1.koalanet.ne.jp/wadaviolin/2kouzo.html
より
図2 断面図
アーチにすると、駒の力は表版の湾曲を伸ばす力に変換され、これを側板が受けます。つまり、駒からの力は、側板が受けることになります。
もし平板であれば、駒からの力はすべて表版をたわませるちからになってしまいます。
図3 表版を押す駒
力関係は、このようになります。
図4 アーチとしての表版のおける力
さらにこのF1は,図5のように側板アーチによりF2,F3になり、これは表版、裏版を縦方向に引っ張る力となります。
図5 側板アーチの及ぼす力
こ、表版のアーチと側板のアーチにより、駒による力を表版、側板の圧縮力に変換し、それを表裏版にたいする引っ張り力にすることで形状の変形を防いでいます。吊り橋やアーチ橋とおなじですね。