ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/20)投稿日:2014/6/28
.
マクスウェル方程式を電磁ポテンシャル(A,Φ)とローレンツゲージで書いた場合、ローレンツ共変とは何かを説明する
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/32denjk/141elc.html
によれば、
■
ローレンツ変換、つまり座標x、y、z、ctとx’、y’、z’、ct’の間の関係は、系「’」が速度vでz方向に動いているとすると、
ct’=γ (ct - βz)
x’ = x
y’ = y
z’ =γ (z - βct)
γ=1/√(1-β^2)
β=v/c
--(1)
つまり、2つ系で同じものさしであれば初めの系で(z、t)と測られたものは、系「’」では、(γ (z - βct)、γ (ct - βz))と測られるということだ。つまり、場所によって時間はことなる。すべての場所で時間は同じではないことになる。慣性系がことなる(相対速度がある)と、それらの間の時間関係は、場所によって異なる。この例であるとz座標によって異なる。
「Lorentz boost ローレンツ変換 」
https://www.youtube.com/watch?v=v0GtoD4BE-A
などおもしろい。
■
(1)式から、x、y、z=0の点では
t’=γt--------------(1-2)
となり、v-->cでγーー>∞だから、
t’-->∞となる。
■
一方系「’」の原点x’、y’、z’=0の時間は、
z=-vt’
(1)式から
ct’=γ (ct - βz)=γ (ct +βvt)=γ (ct ー(v^2/c)t)
これより、
t’=γ(1-v^2/c^2)t=γ(1-β^2)t
γ=1/√(1-β^2)だから、
t=γt’------------------(1-3)
となり、(1-2)式と対称な形となる。
■
つまり、どちらにとっても、相手の時間の進みが自分より遅いことになる。
お互いが、相手の時間が遅いととみている。ここから「ウラシマ効果」が出てくる。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n270983
■
B,Eに対するマクスウェル方程式
divD = ρ
rotE =-∂B/∂t
divB = 0
rotH =∂D/∂t+j
--(2)
これらの式は、座標のローレンツ変換で、形をかえる。
では、
B = rot A を満足するベクトル A (t,r )
E =-gradφ-∂A/∂t を満足する φ (t,r )
--(3)
とすると、
上の4つの方程式は、電磁ポテンシャルA,Φにより次のようになる。
Δφ+∂divA/∂t=-ρ/ε
E=-gradΦー∂A/∂t
B = rot A
ΔA -εμ∂2 A/∂t2 ーgrad(εμ∂ Φ/∂t+divA)= -μj
----(4)
■
ローレンツゲージ
div A+∂φ/(c2∂t)=0 --(5)
によるマクスウェル方程式
Δφー∂2φ/c2∂t2=-ρ/ε --(6)
ΔAー∂2A/c2∂t2=-μJ --(7)
■
上のローレンツ変換の式により、長い計算によれば、
∂2/∂x2+∂2/∂y2+∂2/∂z2ー∂2/(c2∂t2)
=∂2/∂x’2+∂2/∂y’2+∂2/∂z’2ー∂2/(c2∂’t2) --(8)
と、形が変わらない。
■
ローレンツゲージ
div A+∂φ/(c2∂t)=0
の形が(1)式で不変となるためには、
A’x=Ax
A’y=Ay
A’z=γ(Az-βΦ/c)
Φ’/c=γ(Φ/cーβAz)
--(9)
という関係になければならない。これらA’x、A’y、、A’z、Φ’/cは、(6)(7)式を満足する。つまり、ローレンツ変換になっている。ここで、A’x、A’y、、A’z、Φ’/cは、これら4つの量を慣性系「’」で測ったときの値である。
■
∂jx/∂x+∂jy/∂y+∂jz/∂z+∂ρ/∂t=0
もローレンツゲージ式と形が同じだから、
j’x=jx
j’y=jy
j’z=γ(jz-βcρ)
cρ’=γ(cρ-βjz)
---(10)
と変換されれば、慣性系「’」でも同じ形となる。。
■
さらに、上の(6)(7)式は線形であることから、(9)式で定義されたAz’.Φ’は、系「’」での(6)(7)を満たすことを証明する。
△φー∂2φ/c2∂t2=-ρ/ε
△Azー∂2A/c2∂t2=-μjz
は系「’」では、
△’(γc(Φ/cーβAz))ー∂2(γc(Φ/cーβAz))/c2∂t’2
=-((γ/c)(cρ-βjz))/ε
△’(γ(Az-βΦ/c))ー∂2(γ(Az-βΦ/c))/c2∂t2
=-μγ(jz-βcρ)
であり、これは(8)により、初めの系の座標で書くと、
△(γc(Φ/cーβAz))ー∂2(γc(Φ/cーβAz))/c2∂t2
=-((γ/c)(cρ-βjz))/ε
△(γ(Az-βΦ/c))ー∂2(γ(Az-βΦ/c))/c2∂t2
=-μγ(jz-βcρ)
となり、整理すると、
△(ΦーβcAz)ー∂2(ΦーβcAz)/c2∂t2
=-(ρ-(β/c)jz)/ε
△(Az-βΦ/c)ー∂2(Az-βΦ/c)/c2∂t2
=-μ(jz-βcρ)
--(11)
△Φー∂2Φ/c2∂t2=-ρ/ε
△Azー∂2Az/c2∂t2=-μjz
が成り立っているので、(11)は成り立つ。つまり、A、ΦとA’,Φ’はそれぞれの座標で(6)(7)の方程式を満足する。
4元ベクトル (ct,x,y,z),(φ/c,Ax,Ay,Az),(cρ,jx,jy,jz) はローレンツ変換に従えば、異なる慣性系で、
①光速度
②ローレンツゲージ式
③電荷保存則式
は同じになる。 このように4元ベクトルが変換されることをローレンツ共変という。