SonofSamlawのブログ

うひょひょ

トランジスタ回路のノイズ解析

 

どんな本にもあまり書いてないこの分野です。全身全霊を上げて考察してみました。

 サーマルノイズ、ナイキストの論文

サーマルノイズ、ナイキストの論文 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)

ショットノイズについての1957年の論文

ショットノイズについての1957年の論文 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)

も参考にね❤

 

  

      参考図4-2 jFETOPAMPの場合のノイズ電流


        参考図4-3 CMOS OP AMP OPA337

        http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa2337.pdf


   参考図4-4 CMOS OP AMP OPA337のバイアス電流

 

http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa111.pdf

 


       電流ノイズ             電圧ノイズ

         

     参考図4-5 jFET OPAMP OPA111

 

 電流ノイズに関しては、

 

ショットノイズについての1957年の論文

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n169998

 参照

 

https://bbs.ednjapan.com/ADI/index.php?bid=4&v=1304472355EOXoSu

 

 

■雑談

アンプの入力換算ノイズの考察です。

■ アンプの入力換算電圧vn・電流ノイズinについては、
添付図(ファイル1)のように書かれます。
これらと、信号源抵抗Rsにより、アンプに入力される
電圧ノイズvninは次のようになる。

ここで、各変数は対応する時間関数としての変数の2乗平均のルートとする。
つまり、x=√(1/T∫dtx(t)^2)


vnin^2=(en^2+in^2*Rs^2+4kTRs)*⊿f

アンプゲインをGとすれば、アンプOUTノイズ電圧vnoは

vno=G*vnin

 

■ ここまではたびたび出てくる話なのです。
 言葉で言えば、inはRsのみに流れ、アンプには流れない。そもそもアンプがつくりだしたものなのだから、であるけれど、それが抵抗Rsで電圧になると、それがアンプに作用してしまうのである。
 その電圧in*RsとenとRsによるジョンソンノイズの和がアンプに加わる、ということですね。 ただし、相関のないランダムノイズの和はそれらの2乗平均の和のルートとしなければいけません。

■いままで、いろいろな資料をみていると、つぎのことが暗黙に了解されているようなのです。

① inはアンプから出てくるのだが、Rsがなければノイズとはならない。
 つまり、inを発生させることによるアンプ出力への影響はない。
 まぁ、inによるアンプ内部の動作によるvnoへの影響は、すべてenに繰り込まれているのですね。ここが大事です。
 inがある、ということは、それがRsに流れなくても、ノイズになっているのだが、それは、enに繰り込まれている、というわけですな。

 inはアンプに入ることはない。すべて、アンプ以外の素子に流れる。
その結果生じた電圧ノイズがアンプ入力端子に加わる

フィードバック抵抗などある場合でも、inを信号源としてVoutを計算すればいい。

■ 以上は、アンプのIN抵抗RiがRsに比べて大きい場合にはよいのですが、それがRsと同等くらいになってきますとわけがわからなくなってきます。
その場合、この計算は適用できないのですかねー。
アンプのIN抵抗をRiとして、それがRsと同等のとき、図2で考察しますと、

 

③ RsによるジョンソンノイズvnjはRsとRiで分圧される。アンプ電圧ノイズenもRsとRiで分圧されるのか?

④ アンプ電流ノイズinとRsによる電圧inRsはそのままアンプIN端子に加わる電圧としていいのか? Riを考えなくてはいけないのか?

■ 判断!
RiがRsと同等のとき、それがアンプIN端子に付けられた抵抗であろうが、入力TrのB-E間抵抗であろうが、それをRiとして、無限IN抵抗の理想アンプのIN端子に外付けし、Riを含めて、上記①②で考えればいい。

このRiはノイズを出さない。これによるノイズはenに含まれている。

Riは添付図(ファイル2)で、enの左側とGNDにつなぐ。

もし、これをenの右側(アンプ側)とGNDの間につなぐと、
enはRsとRiにより分圧されてIN端子に加わってしまう。
これはおかしい。enというものは実際に存在するものではなく、アンプの内部で発生しているノイズをゲイン換算、相互コンダクタンス換算で、
IN端子に想定したものであるから、Rsの影響はうけないはず。

enは実際にそこにあるものではない。
しかし、inは実際に存在するものである。ここらへんも難しい!


■ RsによるジョンソンノイズvnjとinがRsに流れることによる
アンプIn端子に加わるノイズ電圧を考える。
このテブナン等価回路は、vnj、inRsの和とRsの直列回路である。

vnj、inRsの和の電圧は、RsとRiで分圧される。それとenの和
が、理想アンプのIN端子に入るというわけだ。

  ●●inはRsを介して電圧の形でアンプINに加わる。
    自分で出した電流により、自分が影響を受ける!!!

以上の考え方がわかりやすいですが、別の考え方もあります。

■ それは、inがRsとRi並列抵抗に流れ電圧を発生させると考えても
同じ結果が出る。重ねの理により考える。


vnj*Ri/(Rs+Ri)とin*Rs*Ri/(Rs+Ri)の和の

電圧源とRs*Ri/(Rs+Ri)の抵抗の直列回路となる。

上の結果と同じになる。

  ●● この考え方は、おかしい。しかし、結果は同じになる!!!

   自分で出した電流が、自分に入る! inを出すところと、inの一部が
   入るところが違うと考えれば、理解できる。
   その電流がβ倍されてコレクタ電流になる、と考えてもいい。
   電圧に変換されて、gmでコレクタ電流になると考えてもいい。

■ たとえば、エミッタコモンがIN部である場合を考えてみる。

① inが電流としてRiに入りそれがβ倍されてコレクタ電流ノイズとなる
という考え方。
in*Rs/(Rs+Ri)が、ベースに流れ込む。それによる
コレクタノイズ電流は、β*in*Rs/(Rs+Ri)となる。

② inがRs,Riに流れ電圧となって、コレクタ電流ノイズとなる
という考え方。
in*Rs*Ri/(Rs+Ri)というノイズ電圧がIN部に加わる。
それによるコレクタノイズ電流は、gm*in*Rs*Ri/(Rs*Ri)
となる。

        β=gm*Ri

だから、①②の結果は一致する!

■ ベース電流ノイズとコレクタ電流ノイズは相関がないとします。

ベース電流ノイズがRsが存在することで、その一部が逆極性で
ベースに流れ込むことによって、コレクタ電流にノイズを発生させる。

これは言い換えれば、ベース電流ノイズを打ち消すことによって、逆に
ノイズが発生する、ということですね。

何か不思議な感じもしますが、わかる気もします。その打消し成分が
コレクタにβ倍されて現れる、ですかね。

いや、違うな。
逆極性のノイズ電流がベースに流れ込む、というのではなく、
ベースノイズ電流がRsに流れて、TrのVbeを変動させる、という
考え方ですかね。
Vbeが一定、つまりRs=0ではいくらベースノイズ電流が流れても
コレクタには関係がない。コレクタ電流を決めるのはVbeだから、と
考えたほうがいいのかな?

  

 ■正確な解析

 

  この本によれば、

 

 

                                            [http:  //:title]

 

  図6の(a)において、Enbはベース広がり抵抗rbbによるノイズ電圧の実効値、Inbはベース電流Ibによるショットノイズ電流の実効値、Incはコレクタ電流Icによるショットノイズの実効値である。

  (b)においてはそれらをすべてトランジスタの外につけた電圧源と電流源のみで表現している。(b)の2つのノイズ源は次のように定義することにする。

 

   Eni^2 =  Enb^2 + Inc^2/gm^2      (J-1)

    Ini^2  =  Inb^2  + Inc^2/β^2      (J-2)

 

  

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここまでが引用です。あとは私の意見です。

 

  ここで肝心なことは、Incは、Inc/gmというノイズ電圧源とInc/βというノイズ電流源という外部ノイズ源に移されるということである。IN端子に抵抗Rsがつながれたとき、その抵抗の大きさに応じて2つは影響を分担する。Rs≒0のときInc/gm、Rsー>∞のときInc/βが支配的になる。しかし、Inc自体はRsには関係なく存在する。このことを矛盾なく表現しなくてはいけない。下に示すようにそれは証明される。En b,IInbについても同じである。Rs≒0のときにはEnbが、Rs->∞のときInbが支配的になる。

  

  このことを図7に示し、そこから証明してみよう。

  

    図7 Rsを考慮した場合

 

 

ここで、Incの和はこの2つが当然ながら、相関があるので、2乗和は通常のの和の2乗になることに注意すると、

        図9 BJT IN換算ノイズ電圧Eniの測定

 

  図9の回路でまずIN換算電圧ノイズEniを測定する。図9でVoを測定する。回路ゲインGは測定されるのでgm*RLはそのときわかる。

 

   Eni=Vo/(gm*RL)

 

     

        図10 BJT IN換算ノイズ電流Iniの測定 

 

  図10の回路でIN換算電流ノイズIniを測定する。Rtのノイズ電圧EnRtとEniは既知とする。このとき、EniとIniの中には相関あるノイズが含まれているが無視することにする。このとき、実際の値は最大でこの2倍になる。通常はそれ以下になる。

 

  (Vo/(gm*RL))^2

  =(Ini*Rt*Rin/(Rt+Rin))^2

   +(EnRt*Rin/(Rt+Rin))^2

   +(Eni*Rin/(Rt+Rin)^2

から、

  ( Ini*Rt*Rin/(Rt+Rin))^2

    =(Vo/(gm*RL))^2

    ー(EnRt*Rin/(Rt+Rin))^2

    -(Eni*Rin/(Rt+Rin)^2

 

Ini =√((Vo(Rt+Rin)/(gm*RL*Rt*Rin))^2

   ー(EnRt/Rt)^2-(Eni/Rt)^2)

 =√((Vo/(gm*RL*(Rt//Rin)))^2

    ー(EnRt/Rt)^2-(Eni/Rt)^2)

 

 

   上の参考図3、jFETINOP AMPのIniの周波数特性が3kHzあたりからあがっているのはこのためなのかもしれない。jFETのゲートとソースは高い抵抗と容量の直列だろうから、これによるゲート電流とドレイン電流でβが定義できる。このβはBJTと違い数kHzから下がる。というより、それ以前ではBJTと比べ物ぬならないほど大きい。そこから、ゲート容量のために急激に(20dB/decで)下がっていく。このため、BJTと違いInc/βははでに上がっていくのだろう。

 しかし、一般にはゲートインピーダンスの実部のせいだとされているのだが・・・

 

  こうして測定されたIniは実際の電流ノイズ、つまりInbとは違ってくる。しかし、測定できるにはこのIniしかない。上の参考図3における電流ノイズもIniであると思われる。もしInbを測ろうとするならば、図10のRtの電圧を別のAMPで測らなければならないが、そのAMPのノイズが入ってきてしまう。このあたりのこともこの問題をいっそうむずかしくしている。

   

       ノイズ電圧測定

 

 

       ノイズ電流測定

 

 

      OPAMPノイズ電流の測定回路

 

   

 

  k=1.38E-23

でかんがえると、T=300,R=20kとして

 √(4kTR)=18nV

 

 

■OPAMPで考える

    

 

  内部ノイズEn2は単に1/AvにしてEn1に加えるだけではなく、等価電流ノイズとしても加えるようにしなくてはならない。

 

  力端子のノイズ電圧:En1

  入力端子のノイズ電流:In1

  内部ノイズ源によるOUT電圧:En2

  これは、En1とIn1とは無関係である。

  等価入力ノイズ電圧:Eni

  等価入力ノイズ電流:Ini

 

とし、

 

 Eni^2 =  En1^2 +En2^2/Av^2     (J-3)

 Ini^2  =  In1^2  + En2^2/(Rin*Av)^2(J-4)

と定義すると、

 

eon^2

=Av^2*En1^2*(Rin/(Rs+Rin))^2         

 +Av^2*In1^2 *(RsRin/(Rs+Rin))^2 

+ (Av*(En2/Av)(Rin/(Rs+Rin))+ Av*En2/(Rin*Av))(RsRin/(Rs+Rin)))^2 

=Av^2*En1^2*(Rin/(Rs+Rin))^2         

 +Av^2*In1^2 *(RsRin/(Rs+Rin))^2 

+ (En2*Rin/(Rs+Rin)+ En2*Rs/(Rs+Rin))^2 

=Av^2*En1^2*(Rin/(Rs+Rin))^2         

 +Av^2*In1^2 *(RsRin/(Rs+Rin))^2 

+ En2^2 

となり、矛盾はないことがわかる。