磁界、H≜B/μ0-Mの意味
なかなかわからないBとHの違い。これを明快にしてみる。かなりむずかしい。
■Hの意味
E-B対応、IS単位系で行く。Hの定義
H≜B/μ0-M
である。これはHの定義であり、Hは副変数にすぎないが、これが何を意味しているのかを考える。
磁化Mを細分化し、1つ1つを十分細長いソレノイドの集合と考える。すると、各ソレノイドのみがあるとき、その内部では、
Bi=μ0*M
の磁束密度となる。しかし、その場の磁束密度は周囲のMによるものBexm、外部磁束密度B0の和になる。だから、そのソレノイド内部の磁束密度は、
B=Bi+Bexm+B0
という値になる。これから、
Bexm+B0=BーBi=B-μ0*M
となり、これはその点のMに作用する外部からの磁束密度である。つまり、
H=B/μ0-M
は、μ0*Hがその点のMに作用する外部からの磁束密度であるということになる。
■反磁界
ここで、
Hd=(B-B0)/μ0-M
を考える。ある点のMのみによる磁束密度から、その点のMによる磁束密度を差し引いて、μ0で割った値である。これは、周囲Mがその点に作用する磁束密度/μ0であり、一般に反磁界と呼ばれる。これはMやB0に対して逆方向である。
■上の考察が必要なわけ
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n390009
の(6)式から、
rot(B/μoーM)ー∂(εoE+P)/∂t = J
div(B)=0
は変形すれば、
rot(H)= ∂(D)/∂t +J
div(B)=0
簡単のために静磁界の場合、
rot(H)= J
div(B)=0
の連立方程式になる。さらに変形すれば、
rot(H)= J
div(H)=ーdiv(M)
ここで、線形な材料の場合、Mが何に比例するかが問題である。
BはHかである。Hに比例するならば、
M=χ(x、y、z)H
であり、
div((1+χ(x、y、z))H)=0
で、
μ=μ0(1+χ)
μ0:真空の透磁率
と置けば、
div(μ(x、y、z)H)=0
となる。
これが一般的な話であるが、どうしてMがHに比例するか、である。
その根拠が、初めの話なのである。