SonofSamlawのブログ

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装荷ケーブル方式


ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2013/7/5)投稿日:2013/7/5    

 

  

装荷ケーブルはどういう原理で長距離伝送ができるのですか?

「装荷」という言葉は、一般の国語辞書にすら載っていて、インダクタンスを入れるという説明が書かれていますが、装荷ケーブルとはどのような原理で長距離伝送ができるのでしょうか?
余計なインダクタンスを入れて伝送距離が伸びるということが、直感的に良く分かりません。

また、実物の写真やできるだけ正確な模式図のようなものを見たいです。

よろしくお願いします。

 
 
電線を進行する正弦波の電圧波は
V(x,t)=V0*exp(a*x-j*ω*t)          (1)
a=伝搬定数(propergation constant)
 = sqrt*1      (2)
と表せますね。R,G,L,Cは単位長さ(1m)当たりの抵抗、コンダクタンス、インダクタンス、キャパシタンスです。
ここで、
a=b+jc                     (3)
としたとき、bが波をxに従って減衰させる原因となります。(2)式を整理してbをR,G,C,Lで表したとし、この式をLで微分して0と置くと、bを最少にするLがR,G,Cの関数として求められますね。
そのためにLを増やす必要が出てくるのです。
しかし、R,G,C,Lは電線やその配置で決まってしまっているのでところどころにさらにLを入れることによって、近似的にこの関係を満足させるのだと思います。
 http://www.mogami.com/paper/tline/tline-01.html
は参考。
 インダクタンスをたんに増やせば良いわけではなく、
 既存のキャパシタンスに釣り合う値に過不足なく適切に合わせることが必要か?
ピンポー――ン
 人間が普通にケーブルを作ると、たいていの場合はキャパシタンスが多めになってしまうから、あえてインダクタンスを直列に入れる。
たぶん当時ののケーブルの条件ではそうなっていたのだと思います。ただし、ある資料にはGが小さいために下の微分計算結果による条件が
L/R<<C/G
のため満たされなくなり、これを等しくするためにLを補充したそうです。

 理論的には、極端なケーブルの構造だと、
 逆にキャパシタンスを並列に入れたほうが良いこともありうるのか?
ピンポーーーーーン、その通りです。もし、導体間の絶縁が悪くGが大きければ、上の不等式は逆になり、今度はところどころでCを並列に入れなければなりませんね。ただしGが大きければ損失も大きくなり、別な問題が出てきます。しかし、最小減衰の条件はそうなります。

この方式は増幅機のない時代はよかったのですが、真空管がでてくると増幅することによって「無装荷」でおくることが可能となりました。
http://www.u-tokai.ac.jp/about/movie/history/011.html
の動画はおもしろいです。参考ですが、少しおかしいなぁ、って思われるところもあります。正確さが欠けます。地上に電流が漏れる、はおかしいと思いました。


 

*1:R + j*ω*L)*(G + j*ω*C