ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2014/7/24)投稿日:2014/7/24
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ダイオードの逆回復について
ショットキーダイオードの逆回復時間が小さい理由である
p-n接合の場合順方向で流れているとき、pには電子が、nにはホールが分布し、この分布の勾配によって、拡散定数Dにより、順方向電流が流れます。接合部分でのこのキャリア分布勾配が順方向電流を決めます。これはショックレイの理論です。
この状態で、電圧を反転すると、この分布したキャリア(蓄積キャリア)は、伝導帯にいますから、流れやすい方向(階段を下りるように)となり、この蓄積キャリアがなくなるまで、逆方向電流が流れます。これが逆回復時間です。
キャリアが相手方に入ったとき、そのエネルギーをを保持でき、消滅するのに時間を要するのです。消滅するとはホールと再結合する、言い換えれば構成原子につかまるということです。これは寿命と言われます。これが長いのです。
ショットキーの場合、n型の場合は順方向電流は、半導体から電子が金属にながれます。p型の場合はホールが金属に流れます。
n型の場合、順方向バイアスで金属に流れ込んだ電子は、すぐさま金属の多量の電子と衝突し、そのエネルギーは周囲の電子に分散してしまい、フェルミーディラック分布に収まってしまいます。ですから蓄積できません。できたとしても短時間です。
p型の場合は半導体から入ったホールはすぐさま電子と再結合されてしまいます。というより、金属にはホールはありませんから、半導体内のホールは金属の端で電子と再結合してしまいます。
こうした理由で、ショットキーでは蓄積されるキャリアが小さいか、ないのです。
参考
http://fhirose.yz.yamagata-u.ac.jp/text/schot4.pdf#search='ショットキー+ダイオード'