力学の仕事に関する問題整理
仕事という問題の掘り下げた内容
質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13113466903
物理学の「仕事」については、以下の認識で良いでしょうか?
・仕事の主体は力である。
・仕事の客体は物質である。
・力が仕事をした場合、対象物質のエネルギーが増える。
すなわち、仕事をするということは、対象物質のエネルギーを増やすということである。
・どんなに大きな力が加わっても、それと反対向きに同じ大きさの力が加わり、物質に加わる力が釣り合って物質が動かなければ、その物質のエネルギーは増えないので、力は仕事をしたことにはならない。
・等速円運動において、向心力は、物質に力を加えてはいるが、進行方向に対して垂直向きであるため、物質の進行方向を変えるだけで、運動エネルギーは増えないので、仕事をしていることにはならない。すなわち、向心力は仕事をしない。
回答
いい質問です。
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力*時間ーー>力積、運動量
力*距離ーー>仕事、エネルギー
この違いに昔、悩みました。そもそも運動エネルギーと運動量は何が違うの?
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そもそも仕事とは、下から上(h)に物を上げたときに出てきたアイデアだと思います。このとき、重力と同じ力で上げれば、
W=mgh
もし、重力以上の力を出せば、上げたときその差分だけ運動エネルギーも出てきます。
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力Fの方向にL動かすと仕事は正、
力Fの方向の逆に動くと仕事は負です。つまり仕事したのではなくされた!
F*Lはベクトルの内積と考えるべきですね。
物体Mにかかる2つの力(A,B)が逆向き(F,ーF)であれば、押している人は疲れますが、合力として考えると、その力は0です。もしそのまま静かに(ここが肝心)L動いたとすると、
AはFLの仕事、BはーFLの仕事をしたことになります。
つまり、Aは仕事し、Bは仕事された。全体とすれば0です。つまり動いた物体Mのもらったエネルギーは0です。
もしA,Bの力が逆向きで異なっていて、|Fa|>|Fb|なら、
Aは仕事Fa*Lをし、Bは仕事Fb*Lをされ、Mは(Fa-Fb)*Lの運動エネルギーを得ることになります。
MとしてはFa-Fbの力で動かされているにすぎないのですが、内情をみると、こんなやり取りがされているわけです。
Bは仕事されましたが、この意味は?-->わかりません。形式的なものですね。合力に対して仕事でも合成をかんがえるための計算上のとりきめにすぎないと思います。
ばねなどでは、ポテンシャルエネルギーを蓄えたことになりますね。