SonofSamlawのブログ

うひょひょ

Z変換の不思議な話題

 

 

伝達関数の定義

インパルス応答h(i)のシステムに数列u(i)が入った場合、応答v(i)のz変換V(z)は、U(z)をu(i)のz変換として、

 

  V(z)

 =u(0)(h(0)+h(1)z+h(2)z^2+・・・)

 +u(1)z((h(0)+h(1)z+h(2)z^2+・・・)

 +u(2)z^2((h(0)+h(1)z+h(2)z^2+・・・)

 +・・・

これは、次の簡潔な積になってしまう!

 

 =(u(0)+u(1)z+u(2)z^2+・・・)

       *(h(0)+h(1)z+h(2)z^2+・・・)

 =U(z)H(z)                     ーーー(1)

 

H(z)はh(i)のz変換であり、伝達関数である。

 

一方、別な考察から、V/Uは定義される。これをH1とすれば、Hと等しい。なぜかと言えば、定義から、

H=H1

だからだ。だからH1のシステムのインパルス応答はH1なのである。なぜかといえば、インパルスのz変換は1であり、それによるH1の応答は、上にあるように、

1*H1=H1

であるからだ。

 

 

■上から得られる不思議な関係

伝達関数 H=1/(1+z)

をかんがえる。これは、次のように展開される。

    =1/(1+z)=1ーz+z^2ーz^3+・・・ ーー(2)

【証明】

 両辺に(1+z)をかけると、

    1=1ーz+z^2ーz^3+z^4・・・

       +zーz^2+z^3ーz^4+・・・

     =1ーz^nーー>1

で|z|<1でn->無限で成り立つ。(2)式はテーラー展開である。

 

ここからが面白い!

そこで、別の見方で、

伝達関数

H=1/(1+z)

を考え、

V/U=1/(1+z)

でインパルス応答を考える。Uをインパルスのz変換とする。

コれは、

V(1+z)=U

zV+V=U

となり、これは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

                   左辺   右辺

z^0項:            v(0)+  =  u(0)

z^1項:  zv(0)+   zv(1)+       zu(1)

z^2項: z^2v(1)+ z^2v(2)+    z^2u(2) 

                    ・

                    ・

                    ・

z^i項: z^iv(iー1)+z^iv(i)+   z^iu(i) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

となり、両辺でzの同じ次数の係数が等しくならなければならないことから、漸化式がでてきて、これからv(i)は、

1,ー1,1,ー1,・・・

であることになり、v(i)をz変換すれば、

1ーz+z^2ーz^3+・・・

となり、Hの展開式(2)式と一致する。

 

 

つまり、分数式のテーラー展開は、インパルス応答の計算でわかることになる。