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コギングトルクと最小公倍数

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2014/5/22)投稿日:2014/5/22

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  コギングトルクと最小公倍数

 

 

 PMモーターのコギングトルク周波数に関するもの

 

 

■質問

  何故、PMモータのコギングトルクの周波数は極数とスロット数の最小公倍数の次数になるんですか?
いくら考えても謎です… 

 

■回答

磁極を1つにしてみてください。

これで回すとスロットの周期、つまり、一周でスロットの数だけのコギングが出ますね。 当然正弦波ではないので、高調波が存在します。おおざっぱに言うと、全磁極によるコギングはこの合成と考えられますね。

つまり、1つの磁極によるコギング波形を磁極ピッチづつずらせて足し合わせ たものがコギングトルクだと考えても大きな間違いはありません。

 磁極数をN、スロット数をMとする。1つの磁極によるコギング波形をフーリエ級数で表します。これを、位相をづらしながら(磁極ピッチづつ)足し合わせる
 のです。

このとき、フーリエ級数の成分は、(N,M)の最少公倍数未満の一周のコギング数にあたる高調波までは合成において打ち消されることが証明されます。やってみてください。

 【証明】

つまり、磁極1つによる周期は360/M{度)で、これを360/N{度)づつ ずらしてN個の和をとる。
 電気角(スロットピッチを360度とする)で考えれば、360/M-->360 度とするのだから、360/N-->360*M/N(電気角)となる。

つまり、
 基本波は、360*M/N(電気角)づつずらされた波形がN個足しあわされる。
 第n次波は、360*n*M/N(電気角)づつずらされた波形がN個足しあわさ
 れる。

この場合、n*M/Nが整数でない場合、このn次波のコギングは打ち消される。
 整数の場合は、n次波は打ち消されない(証明は考えてください)。
つまり、n*MがNでも割れるとき、その高調波は打ち消されない。このとき、
 一周においてn*M周期のコギングがでる。

つまりLという数があって、MでもNでも割りきれるとき、一周でL周期のコギング
 がでることになる。LがN,Mの公倍数のときである。これが最小公倍数の時のもの
 が支配的となる。より低次数の高調波のほうが振幅は大きいからである。


高調波は次数が高いと大きさも小さくなるものですから、

 > 一般に磁極数とスロット数の最小公倍数な大きいほどコギングトルクが
< 小さくなるという

 のようなことが言えるわけです。

つまり、コギングトルク一周における数(周期数)はL.C.M(M,N)であり、
その振幅はこれが高いほどちいさい。