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同期モーターとブラシレスモーターの違い

ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2015/11/6)投稿日:2015/10/30

 

同期モーターとブラシレスモーターの違い

 

一般に知られていないが、同期電動機とDCブラシレスモーターは考え方、構造が全く違うのである。

 

■同期モーター

https://www.youtube.com/watch?v=A5Oew43AOOs

①固定子は図1のようであり、コイルは分布巻である。

②固定子の鉄心は平坦である。つまり、回転子が突極であってもコギングはない。

③固定子の作る回転磁界の周期数と回転子の極数/2は一致している。

④固定子電流は時間的に正弦波であり、固定子において空間的にも正弦波であることが求められる。

⑤回転子は回転磁界についていく。

 

       図1 固定子

 

      図2 回転子

 

 

 

    図3 回転子による磁界と固定子コイルによる磁界の関係

 

  図3において、実際のコイルは空間的に正弦波磁界を出せるように分布巻になっているのでもっと密集して巻いてある。

 

 

■DCブラシレスモーター

https://www.youtube.com/watch?v=_jaIHJUf110

①固定子は図3のようであり、コイルは集中巻である。

②固定子鉄心は面対向では平坦であるが、週対向では突極である。このため週対向型の場合、コギングトルクを生じる。

③固定子のコイル数と回転子の極数(NSで2と数える)は一致させないようにする。

④固定子電流は時間的に矩形波であり、空間的にも正弦波でない。

⑤回転子は回転位置によって切り替わるコイル磁界で動かされる。回転磁界という概念はない。

 

  

    


    図4 面対向での固定子のコイル(9)とマグネット(12)

 

  面対向の場合を示す。図4は固定子コイルである。3相構造である。

    

  


             図5 1相分のコイル


  図5に1相分を示す。マグネット極数をPmとする。

 

  Pm=マグネット極数(NとSを別に数える)

 

  このモーターは同期モーターとは違い回転磁界という考えではない。コイル電流は正弦波ではなく、矩形波であり、電源のスイッチングによって流されることが想定されている。1相分のコイル数(周対向では突極数)P1cは、

 

  P1c=Pm/n(n=1,2、・・・)

 

で、円周に等分割で配置される。2,3相のコイルは1相コイルの間に図3のように配置される。1相のコイル間は電気角で2π(N-S間)の整数倍であり、3の倍数以外でなければならない。

  コイルの構成を図6に示す。回転子は12極、固定子9極である。同期モーターの図3とはかなり違うことがわかる。固定子コイルは同期機のように分布巻ではない。

 回転子(マグネット)の極周期(N-S間)を電気角360°とする。各相コイル間隔は

  360*n(n=1,2、・・・)

でなければならない。その間に等間隔で2,3相コイルが並ぶ。マグネット12極の場合、図6,7のようなコイル配置が可能である。

  


   図6 回転子の磁化と固定子コイルの関係

  

     図7 回転子の磁化と固定子コイルの関係

 

  しかし、面対向と違い周対向ではコギングやトルクリップルを小さくするために上の規則から外すのが一般的である。コギングトルクの1周当たりの周波数(?)は、

    LCM(Pm,Pc)

である。LCMは最小公倍数である。このためPmとPcをそのLCMができるだけ大きくなるように決めると、コギング周波数が高く、しかも小さくなる。下に示す例ではこうなっているものがあり、上の規則には従っていない。

 

周対向に関しては、

https://www.youtube.com/watch?v=AimKJTIOqkU

を参考にした。 

 

 

       図8 周対向ブラシレスモーター(14m、12p)

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=AUhnlcJzDE8

      

 

         図9 周対向 12m、36p

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=PXI5d0Aws0Y

 

     図10  42m、36p

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=WyQInXjpGwU

 

 

    図11 4m、12p

 

 

 

      図12 制御っステム

 

 

      図13  センサレス化