いきなりニーチェの哲学に入る前に、実存主義の哲学とはどんな哲学を言うのか理解しましょう。
実存主義は、19世紀の合理主義や実証主義に対して、そのような客観的な抽象的思考では把握できない個としての人間の立場を強調し、孤独・不安・絶望・苦悩の中に生きる、個別的・具体的な「この私」の存在を探求する思想的な立場です。
実存主義は、抽象的な一般的普遍性には解消しえない個別者としての人間をとらえ、自己のあり方をみずから選択し、決断する自由な主体性としての実存の確立をめざします。サルトルを始め、キルケゴール、ヤスパース、ニーチェなどに代表されます。
無神論的実存主義は、神への信仰を否定し、あくまで人間の立場に踏みとどまって主体的な実存の確立をめざします。ニーチェの哲学ではキリスト教が衰退した、〝神は死んだ〟近代においては価値が喪失されてしまい、ニヒリズムに陥った。永遠に繰り返される無意味な生において、ひとはそれでもその運命を愛し生きなければならない。ニーチェは、神の代わりとして超人思想を説き、実存主義に大きな影響を与えたのです。
ニーチェの強烈な実存への確立が、複雑な言葉となって表現されていることを考えながら、また他の実存主義哲学者との違いなども考えながらニーチェを理解してみることです。
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