SonofSamlawのブログ

うひょひょ

高性能パワーアンプの理由


ライター:mpcsp079さん(最終更新日時:2016/4/18)投稿日:2013/9/17    

 

高電圧と高音質、電源インピーダンスと高音質

 

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10113560530

の質問は面白いのでもう少し考えてみた。

 

coheeさんの質問

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  以前タイのバンコクでレコーディングをした事があるのですが、モニタースピーカーとしてはジェネレックの全く同じスピーカーが有ったので簡単に比較が出来たのですが、バンコクはほぼ240Vで電源のレギュレーションが違いますから低域がくっきりと出て満足が出来る仕上がりにはなりましたが、それを日本に持って帰って来るとこんな音ではなかったと思うほど変わります。
  昔から電源電圧の違いが音に出る事は知っていましたが、これほどまでとは思ってもいませんでした。

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というもので興味深い事実である。これは大変参考になった。

 

■解析

  音が悪くなる原因は、アンプ回路のためのDC電源が電流によって変動してしまうからではないか? という仮定から考えてみた。

  

 

  まず、思いついたことは、ACが高電圧なほど、2次電圧・電流が同じなら、1次電流は小さくなるから、信号電流によるトランス1次電圧変動は小さくなる。このことが音楽信号に影響するのではないかということだ。だからといって、100Vを変圧器で240Vにしてもだめだ。これはまったく無意味だ。はじめから高電圧でないといけない。

  

 

  つまり、変圧比が大きい(2次が小さい)場合、2次側からみた1次側のケーブルのインピーダンスは小さく換算される。その1次側、つまり家庭の電源は電柱の変圧器からくるから、その電線の長さも効いてくる。またその柱上変圧器の性能やそのときの電流にも影響されるだろう。音楽信号、特に低音の立ち上がりを問題にすると、その周波数成分は高いので、AC電源の配線の長さも効いてくる。これらの効果は、そこにつながるアンプ用変圧器の変圧比によって異なる。変圧比が大きいほど、これらの影響が小さくなる。 

 

  昔、ゴールドムントというメーカーがあり、パワーアンプの中をみたことがあるが、回路は背面にちょこっとあるだけで、大半が電源であった。もしかしたら超弩級パワーアンプのすごさは、電源にあるのではないかと思った。回路なんてなんでもいいのであるのではないか?

 

  音の良さは、歪より急激な変化への対応なのではないか? とくにポップスやジャズではこれだけで決まるのでは。



 ■真空管アンプがいいわけ

  真空アンプのDC電源電圧はトランジスタアンプに比べてきわめて大きい(300Vくらい)。そしてスピーカーの間に変圧器が入る(マッチング)。これは電圧を下げる方向である。つまり、この場合もこの変圧比が高いほど、スピーカーから見てOUTインピーダンスは低くなる。

  

 

  この場合は、上と違いDC電圧が高いのである。これによって、DC電源の流さなければならない電流は小さくできる。電流によって不変な電源をつくるのは大変だが、電圧を高くし、電流を下げれば、もっとも簡単に理想電源が実現できる。真空管アンプがいいというのはこのせいなのではないだろうか? 

 

参考

http://www10.big.or.jp/~dh/work/7906.html 

 

  昔、ネルソン・パスのパワーアンプは正と負の動きを非対称にして音を良くしている、とされていた。つまり、積極的に歪を作っているのである。

 

  歪が大きいと音が悪い、というのは根拠がない考えだ。昔、ハーマン・カートンというメーカーが、オタラ理論から、過渡応答の悪さが音を悪くする(NFアンプの音の悪さの原因と考えられていた)という考えから、スルーレートを上げたアンプを作った。

      


 ■電圧変動率

  負荷とOUT電圧が同じな場合、アンプのDC電圧、もしくはDC電源へのAC電圧が高いほうが、電源電流Iは小さくできる。電源インピーダンスZが同じとき、それによる電圧降下は、Z*Iである。電源電圧が高いほどこの値は小さいから、電圧の変動率は、電源電圧の2乗に比例する。

 

  つまり、電源電圧を上げるということは、とてつもない電源安定につながるということだ。

 

  ヘッドフォンアンプのこの点で効果があるのではないか?

http://www.caycra.com/headphone-amp.html

  

■OPAMPの場合の電源電圧

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n192881

にはこうある。

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・やはり、電源は命です。ACアダプタは便利ですがオーディオ用には向いていないし、いくら低電圧でOPアンプが動作すると言ってもそれなりの電圧(±12~18V)を印可しないと、実力を発揮しないことが分りました。

 

・ヘッドフォンアンプを自作されている皆さんへ、乾電池の006P単一から±4.5Vや、006P直列の±9VでOPアンプの良し悪しについて講釈を垂れても意味も無く無駄ですよ。

 

・今回の件で分ったことは、OPアンプは半導体でありウエハは、不純物により絶縁膜や導電膜、半導電膜の製版技術によりにより生成されているため、ある程度高い電圧を印可して、不純物を活性化する必要があると言う事です。

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  この場合、電源電圧の前に、DC電源のOUT電流と電圧の関係、つまり、OUT電流が激変したときの電圧の変化特性が問題なのではないかと思う。この場合、電源電圧がた高くても上のような有利さはない。電池はこの過渡特性が悪いのかもしれない。簡単なACアダプターについても同じで単に過渡特性が悪いだけであるのかもしれない。電池で±18Vをつくってみたらどうかと思う。

 

  余談であるが、

>ある程度高い電圧を印可して、不純物を活性化する必要があると

とは何か? そんなことはいままで聴いたことがない。なんでこんなめちゃくちゃなことを言うのか? 驚きである。オーディオの世界ではこんなことを言っている者が多い。音の良しあしについては、何を言ってもいいが、それ以外のことではある程度、今までの科学の考えをちゃんと学んでから言ってほしい。オカルト集団に成り下がってしまう。このような誤ったことをまき散らしている者が実に多いのが気になる。

  電源電圧を下げると、OPEN LOOPのF得などは影響を受けるが、NF後の特性にはまったく影響がなと思う。科学的に考えた場合、電源電圧により音が変わることは考えられない。

 

  話は戻って、シリーズレギュレーターもだめなのかもしれない。たぶん過渡特性が悪いのだ。アンプの電源は精度はいらない。過渡特性が優れているほうがいいのだ。であるから変圧器+ダイオードブリッジ+大コンデンサ、という形のものがもっともいいのかもしれない。これはNFによっていないからいいのだ。これはNFしないアンプがいい、という話と同じである。