SonofSamlawのブログ

うひょひょ

どうしてマクスウェルの理論では、光速は座標系によらないのか?

どうしてマクスウェルの理論では、光速は座標系によらないのか?

 

 参考

http://teenaka.at.webry.info/200512/article_6.html

 

■雑な考察

  真空で電荷・電流なしでのマックスウェルの方程式は次のとおり。


     divB=0                (1)
     rotE+dB/dt=0          (2)
     divE=0                (3)
     rotB-(1/c^2)dE/dt=0   (4)


ε0*μ0=1/c^2



において、座標系の指示はございません。
つまり、ここに使われている座標において、光速は


   ε0*μ0=1/c^2


です、と言っています。だから、これに対して、+Vで運動する座標に
おいても同じことが言え、やっぱり


   ε0*μ0=1/c^2


なのです。マックスウェルがそこまで考えていたかどうかわかりませんが、
多くの慣性系の座標の全てについて、上の式が成り立つとすると、これは
つまり、アインシュタイン博士が仮定した


   光速度不変の原理


がこの方程式の解、つまり電磁波・光には成り立っていることになるのです。


 
 マックスウェル先生にきいてみたいですね! そこまで考えていた?


 『おっと、それほんと! 確かに・・・気がつかなかった・・・』


なんて言いそうですよね(^^)

 

■もう少しまじめな考察

きっかけ質問

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13158104108

 

  ガリレイ変換を考える。慣性系Kを考え、他の慣性系K’はKに対して、+zの方向に速度vで動いているとする。すると、

x’=x

y’=y

z’=z-vt

t’=t

の関係がある。ニュートン運動方程式は、このガリレイ変換で不変である。しかしマックスウェル方程式(M式)は不変ではない。これを示そう。真空中のM式kから導き出せる波動方程式

                         ---(1)

 

ガリレイ変換を行うと、

 

であるから、

 

                             -ー(2)

  これは(1)式と同じではない。z’方向の光速はv±cとなり、光速がvで変わることを示している。つまり、cがあらゆる慣性系で等しくても光速は慣性系によって異なることがわかる。

  (1)式をあらゆる慣性系で不変にするにはローレンツ変換によるしかない。つまり、光速度不変の要請から出てきたローレンツ変換は、M式をあらゆる慣性系で書いたとき、その形を不変に保つ。

 

  つまり、初めの(Kでの)M式があらゆる慣性系でおなじ形であるとは、光速度があらゆる慣性系で等しいときなのである。また、、座標が光速を一定にするように変換されたときに、M式はその形を不変にできる。
  つまり、どんな速度で放たれた光を、どんな速度で観測しようが、その速度はつねにcとなる。

  つまり、
光速度不変の要請ーー>座標間にガリレイ変換ではなくローレンンツ変換が必要ーー>この座標変換によるとM方程式はあらゆる慣性系で不変

という順番みたいです。

ローレンツ変換--->光速度不変
ローレンツ変換<ーーー>M方程式不変(<--は未確認、推測)

つまり
M方程式不変ーー>光速度不変

 

■言い直すと

M方程式がどのような慣性系でも、つまり、その座標を使って書いた式が同じ形となる。
つまり、

●A特殊相対性原理:下の式で、ただその慣性系の座標を入れ替えただけになる。

このとき、各慣性系の座標x、y、z、tは、ローレンツ変換で関係し合わなければならない。これが1次変換は光速をも不変にする。

●B光速度不変の原理:これが成り立つためにもローレンツ変換で関係し合わなければならない。

つまり、
特殊相対性原理が成り立つ<ーー>光速度不変

 

■さらに整理すると
M式の形を、慣性系間の座標変換で、不変にするような1次変換をCとする。
慣性系間の座標変換で、光速を不変にするような1次変換をDとする。
Cは波動方程式の形を変えないのでので光速はあらゆる慣性系でおなじとなる。
よって、C=Dである。

 

ローレンツ変換マクスウェル方程式の詳しい資料

http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel/tokushu.pdf

 

 

 

 

********おまけ*********

 

http://teenaka.at.webry.info/200512/article_6.html

から引用

ーーーーーーーーーーーーー

通常教科書には、ダランベルシアンの不変性より「ローレンツ変換」を導出していますが、
マックスウェル方程式そのものの不変性から、(私の知る限りでは)それを求める方法は見当たりません。

これについて検討してみました。

慣性系Σで、真空でのマックスウェル方程式が成り立っているとします。
つまり、(1/c2)∂E/∂t=rotB, ∂B/∂t=-rotE, divE=0, divB=0 とします。

Σに対しx方向にvで等速運動している慣性系をΣ'とすると、
Σ系:x,y,z,t⇔Σ'系:x',y',z',t' ですが、この間の変換は
x'=ax+bt,y'=y,z'=z,t'=ex+ft となるはずです。
ところで、Σ'系の原点はΣ系でx=vtとなるため、
x'=a(x-vt)となります。逆変換を考えると、v→-v ですから、x=a(x'+vt')なるため、
t'={(1-a2)/(av)}x+at と計算されます。

まとめると、
Σ系⇒Σ'系 :x'=a(x-vt), y'=y, z'=z, t'={(1-a2)/(av)}x+at
Σ'系⇒Σ系 :x=a(x'+vt'), y=y', z=z', t=-{(1-a2)/(av)}x'+at'

さらに、微分演算子の変換を考えますと、
∂/∂x'=a(∂/∂x)-{(1-a2)/(av)}(∂/∂t)
∂/∂y'=∂/∂y
∂/∂z'=∂/∂z
∂/∂t'=av(∂/∂x)+a(∂/∂t)

逆は、
∂/∂x=a(∂/∂x')+{(1-a2)/(av)}(∂/∂t')
∂/∂y=∂/∂y'
∂/∂z=∂/∂z'
∂/∂t=-av(∂/∂x')+a(∂/∂t')

さて、Σ系での (1/c2)∂E/∂t=rotB, ∂B/∂t=-rotE を各成分ごとに書きます。

(1/c2)∂Ex/∂t=(∂Bz/∂y)-(∂By/∂z)
(1/c2)∂Ey/∂t=(∂Bx/∂z)-(∂Bz/∂x)
(1/c2)∂Ez/∂t=(∂By/∂x)-(∂Bx/∂y)

∂Bx/∂t=-(∂Ez/∂y)+(∂Ey/∂z)
∂By/∂t=-(∂Ex/∂z)+(∂Ez/∂x)
∂Bz/∂t=-(∂Ey/∂x)+(∂Ex/∂y)

また、
(∂Ex/∂x)+(∂Ey/∂y)+(∂Ez/∂z)=0
(∂Bx/∂x)+(∂By/∂y)+(∂Bz/∂z)=0
となります。

これらの式と、微分演算子の変換を使い、∂Ex/∂t'、∂Ey/∂t'、∂Ez/∂t'、∂Bx/∂t'、∂By/∂t'、∂Bz/∂t'
を計算して、x',y',z',t'での方程式に変換してみます。

結果、

(1/c2)∂Ex/∂t'=∂{a(Bz-(v/c2)Ey)}/∂y'-∂{a(By+(v/c2)Ez)}/∂z'
(1/c2)∂{a(Ey+*1(c2/v)Bz)}/∂t'=∂Bx/∂z'-∂{a(Bx-(v/c2)Ey)}/∂x'
(1/c2)∂{a(Ez-*2(c2/v)By)}/∂t'=∂{a(By+(v/c2)Ez)}/∂x'-∂Bx/∂y'

∂Bx/∂t'=-∂{a(Ez+vBy)}/∂y'+∂{a(Ey-vBz)}/∂z'
∂{a(By-*3Ez)}/∂t'=-∂Ex/∂z'+∂{a(Ez+vBy)}/∂x'
∂{a(Bz+*4Ey)}/∂t'=-∂{a(Ey-vBz)}/∂x'+∂Ex/∂y'

となりました。

これは、マックスウェル方程式の不変性から、Σ'系での式

(1/c2)∂Ex'/∂t'=(∂Bz'/∂y')-(∂By'/∂z')
(1/c2)∂Ey'/∂t'=(∂Bx'/∂z')-(∂Bz'/∂x')
(1/c2)∂Ez'/∂t'=(∂By'/∂x')-(∂Bx'/∂y')

∂Bx'/∂t'=-(∂Ez'/∂y')+(∂Ey'/∂z')
∂By'/∂t'=-(∂Ex'/∂z')+(∂Ez'/∂x')
∂Bz'/∂t'=-(∂Ey'/∂x')+(∂Ex'/∂y')

に対応するものでなければなりません。

そこで、Ey'に相当するものを比較すると、
a(Ey+*5(c2/v)Bz) ⇔ a(Ey-vBz)

Ez'に相当するものを比較すると
a(Ez-*6(c2/v)By) ⇔ a(Ez+vBy)

By'に相当するものを比較すると、
a(By+(v/c2)Ez) ⇔ a(By-*7Ez)

Bz'に相当するものを比較すると
a(Bz-(v/c2)Ey) ⇔ a(Bz+*8Ey)

これらの比較から、(1-a2)/(a2)=-(v/c)2 であると、左右が合致することが分かります。
この式から「aが正」という条件で、aについて解くと、
a=1/√[1-(v/c)2] となり、x'=a(x-vt), t'={(1-a2)/(av)}x+at に代入すると、

x'=(x-vt)/√[1-(v/c)2]
t'=[t-(v/c2)x]/√[1-(v/c)2]

というローレンツ変換式が求まりました。


(2006年2月2日 追記)

共変微分さんが宣伝してくれたお陰で、この記事は私のブログではアクセスが多くなりました。
私自身としては、この内容よりもローレンツ変換を別の方法で導出した記事の方が面白いと思うので、興味のある方は次の記事も読んで下さい。

ローレンツ変換を導出してみる」
http://teenaka.at.webry.info/200508/article_15.html
http://teenaka.at.webry.info/200508/article_16.html
http://teenaka.at.webry.info/200508/article_17.html
http://teenaka.at.webry.info/200508/article_18.html
http://teenaka.at.webry.info/200508/article_19.html

教科書とはちょっと違う方法でローレンツ変換を導出しています。

*1:1-a2)/(a2

*2:1-a2)/(a2

*3:1-a2)/(a2v

*4:1-a2)/(a^2v

*5:1-a2)/(a2

*6:1-a2)/(a2

*7:1-a2)/(a2v

*8:1-a2)/(a2v