死刑と残忍性に関する知識を提供するものです。
水責めはかなり恐ろしいものです。
モネスティエ「死刑全書」(吉田春美・大塚宏子訳、原書房)から引用します
*水は、人を沈めるだけでなく、人に飲ませるために使われることもある。「水責め」の名で知られるこの刑罰は、その名が示す通り、囚人に大量の水を飲ませるというものである。犠牲者は横棒の上に寝かされ、さらに強く引きのばされる。執行人は、囚人の喉の奥にさしこんだ漏斗に、または通常の呼吸ができないように口をおおった布の上に、ゆっくりと、しかし途切れることなく水を注ぐ。少しでも空気を吸おうとすれば、囚人は水を飲みこむので、ゆっくりと溺れていくのである。
しかしフランスではこの刑罰に規則が設けられていて、「小尋問」では九リットル、「大尋問」と「特別尋問」では一八リットルと決められていた。
それによって多くの囚人が死ぬことはあっても、表向きの目的は受刑者を殺すことではなく、罪を告白させたり、共犯者の名を聞き出したりすることであった。
ときには真水のかわりに塩水や酢が用いられることもあった。有名なクラランス公ジョージ・プランタジュネットは、エドワード四世の命令で、マルヴォワジー酒を飲むことが許された。彼は死ぬまでワインを飲まされたのであった。
水責めにはもうひとつの方法がある。ローラン・ド・ヴィルヌーブがスエトニウスの話を引用して述べている通り、それはティベリウスが考案した方法で、囚人に大量の水を飲ませてから、尿を出せないように陰茎をかたく縛るというものであった。