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電磁気 マクスウェル・アンペールの法則と、rotH

ライター:miranda17jpさん(最終更新日時:2014/10/2)投稿日:2014/9/21

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■磁界の強さ
アンペールの法則によれば、

I = 2πr H

であることが知られている。

 

■磁束密度Bの定義

B = μoH

●μo・・・真空透磁率 

●B・・・磁束密度

●電流の定義・・・真空中に1m離して平行に置いた2本の直線の導線に同じ大きさの電流Iを流した時、導線間に働く力が、1mあたり2x10^-7Nになるような電流が1Aである。
●Bは、Iに比例し、導線間距離rに反比例するから、比例定数をKとおいて

B = K(I/r) = 2x10^-7(I/r)

と書ける。

 

これら4つ定義より、K = μo/2π、μo = 4πx10^-7
と決めると、

B = μo/2π( I/r)・・・・①

と書ける。

アンペールの法則
積分形:
∲(c)H・dl = ∫(面S) rotH・n ds = I
微分形:

rotH = J

【直線電流による磁界】

図1のような、直線電流による磁界を考える。
 

    

            【図1】

経路Cは、半径rの円である。
この場合の磁界を経路Cに沿って足し合わせてみる。つまり、経路Cに沿ったHの周回積分を行う。すると、

∲(c)H ・dl = (I/2πr)・2πr = I

であることが容易に分かる。

 

ここで、経路Cが円ではなく、任意の曲面Sの境界だったら、どうなるだろうか?

この場合も、静電場のときと同じように、電流Iの密度といったものを考えると、周回積分を面積分で表現することが出来る。

面Sを通過する電流Iの密度を、Jとする。

すると、

∲(c)H・dl = ∫(面s) J・n ds・・・・②
と表すことが出来る。

nは、面Sの法線単位ベクトルである。
②式が、アンペールの法則(積分形)である。

積分形を微分形に】
②式の積分形も、静電場の時と同様に、ストークスの定理で、微分形につなげることができる。
∲(c)H・dl = ∫(面S) rotH・n ds =
 ∫(面S)J・n ds
(limS→0)(1/S)∲(c)H・dl =
1/S∫(面S)rotH・n ds = 1/S∫(面S)J・n ds
ここで、S→0とすると、
rotH・n = J・n
rotH = J・・・③
になることが分かる。
ところで、ここで周回積分とrotの定義に立ち戻ってみると、
rotは、周回積分で陰に定義され、閉路Cに囲まれる面積Aで割り、A→0の極限をとったものであった。式で書くと、
n・rotH ≝ (limA→0)(1/A)∲(c) H・dl・・・・④
nは、その点での閉路の面の法線

である。この④式と∲(c)H・dl = ∫(面S) rotH・n dsを見比べると、文字通り微分形であることがよくわかる。Aを⊿Aとしてみると良く分かる。

【変位電流】
一般的な回路理論では、閉路でなければ電流は流れないとされる。
それでもコンデンサのように、板間には電流が流れないのに、充放電が起こり、電流が流れるものもある。
これは、どのように考えればいいのか?
そこで考えられたのが、変位電流である。
変位電流は、コンデンサ電束密度をD、板面積をAとするならば、
Id = A ⊿D/⊿t

と定義される。この定義から分かるように、DxAは電荷量になるから、これは、電流の定義に合致する。
よって、コンデンサの板間に変位電流Idが流れ、閉回路を形成すると考えて差し支えない。
また、電流が流れることによって磁束が生じるなら、磁束によって電流も流れるのでは、という考えもある。マクスウェルは、変動している電界Eによって
も、磁束が発生すると考えたのである。
これがマクスウェルの変位電流(∂D/∂t)で、
rotH = J + ∂D/∂t
となる。


【div(rotH) = 0にならない??】
ベクトル解析の結果を信じるならば、
div(rotH) = 絶対0
になるはずである。だがその一方で、電流連続の式からすると、電荷が存在するならば、
div(J) = -∂ρ/∂t
も成立しなくてはおかしい。
これも、マクスウェルの変位電流を加味すれば、
rotH = J + ∂D/∂t
だから、また、ガウスの法則より、divD = ρ だから 
divJ = -div(∂D/∂t)
div(rotH) = div(J + ∂D/∂t) = 0 で、div(rotH) = 0を満足する。
この結果は、アンペールの法則が直流電流及び、変化のない電界のときのみ成立する法則であることを示している。
交流では電界が変化するので、変位電流が生じる。そして、高周波になればなるほど、変位電流は大きくなり、ついには、導線の途中からも電磁波が出ることになる。この現象は、実際に観測することができる。アンテナが、その証拠である。