SonofSamlawのブログ

うひょひょ

交流理論 正弦波でのマクスウェル方程式、フェイザ

交流理論 正弦波でのマクスウェル方程式、フェイザ 

 方程式がフェイザで表されることを証明する



■質問

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11145867696/a359944794

 

マクスウェルの方程式につての質問です。

 電界、磁界に対する複素表示をE,Hとおき(表示の関係上こうさせていただきます)、電界をRe[E・exp(jωt)]で表すとします。

このとき磁界の時間偏微分はRe[jωH・exp(jωt)]となると思います。
ここでファラデー・マクスウェルの方程式に代入することにより∇×Eを求めたいのですが…
手持ちの資料によると

∇×E=-jωμH

と求められています。
 代入時点で式は
∇×Re[E・exp(jωt)]=-μRe[jωH・exp(jωt)]
となるはずなのですが

両辺とも実部をとっているはずなのに、なぜ結果の右側には j が残っているのでしょうか…?
 自分で計算した時は、オイラーの式を用いてcos,sinの式に直して計算をしたのですが、三角関数が残ってしまうという結果になりました。

 説明がわかりにくいかと思いますが、ご教授お願いします。


■回答

>∇×E=-jωμH
この時点でE,Hはフェイザと呼ばれる複素数です。
 正弦波の定常解を求める方法です。

フェイザは正弦波を生成する動径です。
フェイザはフェーザという人もいます。

 Eはフェイザと呼ばれる複素数で、時間波形は
e(t)=Re(Ee^jωt)
となります。

 >∇×Re[E・exp(jωt)]=-μRe[jωH・exp(jωt)]
こんなことやってはいけません。

 

 

ーーーー
divB=0         
 rotE+∂B/∂t=0            
 divE=ρ/ε                
 rotB-(1/c^2)∂E/∂t=j*μ

ーーーー

が正弦波の定常状態である場合、時間因子を
e^jωt
とすると、磁束密度、電界の時間関数をb,eとすると、
 b(t)=Re(Be^jωt)
 e(t)=Re(Ee^jωt)

j(t)=Re(Je^jωt)

ρ(t)=Re(Ρe^jωt)
とすると、

これは、

ーーーー

divb=0         
 rote+∂b/∂t=0            
 dive=ρ/ε                
 rotb-(1/c^2)∂e/∂t=j*μ

ーーーー 

を満たさなければなりません。


つまり、
ーーーー
 div(Re(Be^jωt))=0         
 rot(Re(Ee^jωt)) +∂(Re(Be^jωt))/∂t=0        
 div(Re(Ee^jωt))=Re(Ρe^jωt/ε)             
 rot(Re(Be^jωt)) -(1/c^2)∂(Re(Ee^jωt))/∂t =Re(Je^jωt)*μ 

ーーーー

さらに、

ーーーー
 Re(div(Be^jωt))=0         
 Re(rot(Ee^jωt) +jωBe^jωt)=0        
 Re(div(Ee^jωt))-Ρe^jωt/ε)=0             
 Re(rot(Be^jωt) -(1/c^2)jωEe^jωtー(Je^jωt)*μ )=0

ーーーー

つまり、

ーーーー
 Re((divB)e^jωt)=0         
 Re((rotE +jωB)e^jωt)=0        
 Re((divE-Ρ/ε)e^jωt)=0             
 Re((rotB -(1/c^2)jωEーJ*μ)e^jωt)=0

ーーーー

という形になる。


各方程式は、

Re(A*e^jωt)=0

の形である。これがいかなるtでも成り立つには、

A=0

であるしかない。

つまり、

ーーーー
 div(B)=0         
 rot(E)+jωB=0        
 div(E)=Ρ/ε             
 rot(B)-(1/c^2)jωE=J*μ 

ーーーー
というフェイザに関する方程式がが満たされなければならないことになります。

 

変数がb,e、ρ、jから、フェイザB,E、Ρ、Jに移りました。
これは時間を含みません。B,E、Ρ、Jは空間だけの関数で複素数です。


これも参考に・・・

 ハンケル関数 電磁界解析

ハンケル関数 電磁界解析 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)

オイラーの定理

複素数はすごいですね!