ホーンスピーカー(horn speaker theorem)の原理解析
(多層近似による)
ホーンの理論はいくら調べてもない!
決まったことの羅列・・・
そこで書いてみました。どこにもない資料です。
basicと多層近似で解析してみました。
関連質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10140660180
まず、
https://www.youtube.com/watch?v=UmKh831UE1w
によって、ホーン効果を確認してください。
ホーンに関する質問
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10140660180
http://www.elex.ne.jp/shopping/newitem/audio/goto.htmlより後藤ユニット
ウェスタンエレクトリック 15A ホーン
ウェスタン エレクトリック ホーン
http://www18.ocn.ne.jp/~tnk/page002.htmlより
タンノイ ウェストミンスター
http://www.e-bhsp.com/backroad.htmlよりバックロードホーン
トラックのホーン
http://www.diyloudspeakers.jp/6000html/speaker-unit/horngata-sp.htmlより
などとありますが、ぜんぜんわかりませんね!
そこで、
■ 目的
ホーンを付けることによって、どれだけの効果があるかを確かめた。音響インピーダンスZa=0.82の入り口から、Za=0.003までのホーンの入り口の流れ(ドライバーの動き)とホーン出口圧力pの関係を計算することにより、ホーンの効果を調べる。
参考文献(必読)
ホーンスピーカー理解のための音響学
ホーンスピーカー理解のための音響学 - SonofSamlawのブログ (hatenablog.com)
■方法
図1 計算モデルと多層分割近似
図2 伝送線路(各層のモデル)
ホーンを図1のように30等分し、各層内で音響インピーダンスZaは一定とした。
各層では、図2のように考えると、次の関係がある(付録参照)。まず、電気の用語で書いてみる。特性インピーダンスZ0、長さLの線路の両端の電圧、電流の関係である。
Vs=cos(kL)*Vr +j Z0*sin(kL)*Ir
Is=j*sin(kL)*Vr/Z0 + cos(kL)*Ir
ここで、Vは圧力pに、Iは体積速度S*vに置き換えればよい。Sは管の断面積、vは流速である。ホーン出口以降の音響インピーダンスを定めこれをZaとする。ここでは、Za=0.003の管とした。また、そこでとりあえずS*v=1とすると、p=Zaとなる。これより、図1のすべての層のについて、上の式で求めていけば、ドライバーの位置での、pとS*vがもとまる。それをps、Ss*vsとする。すると、ホーン出口での圧力は、実際のドライバーの動きの、
Za/(Ss*vs)
倍であることがわかる。つまり、この計算で、Ss*vsは小さいほうが効率がいいのである。これは、ドライバーを流速源と考えた場合であるがはたして・・・
■ホーンドライバーはp源? v(流速)源?
電気で言う電圧源なのか、電流源なのか? 振動版が動くということはv源か?
たぶんv源であろう。つまり、電気では、I(i) 源なのであろう・・・
だから、インピーダンスが小さいものを駆動すればpは小さくなる。つまり、音圧は小さくなる、てなわけか?
そこで、ドライバー振動速度はいかなる時でも同じと仮定してみる。
■ホーンを付けない場合
この場合。、ドライバのS*vを1としてみる。ホーン以後のZaを0.003とする。音圧pは、S*vの0.003倍で、p=0.003となる。
■ホーンを付けた場合
図1のようなexpホーンで、長さは1mとし、ドライバ側口幅1m、出口側幅300mとした。厚さは1mとする。多層分割は30000である。周波数はまず500Hz(λ=0.66m)とする。 ホーン出口のS*vを1とすると、計算の結果ドライバ部分のS*vは0.052となる。つまり、ホーン出口ではS*vは、ドライバの19.2倍になる。、ドライバ端でのZaは1.12である。Zaは373倍になる。
図3 expホーンの解析モデル
また、図4のような3角形ホーンでは、入り口出口寸法をexpホーンと同じにした場合、ドライバ端でのS*vは0,24である。つまり、ホーン出口ではS*vは、ドライバの4.2倍になる。、ドライバ端でのZaは0.12である。Zaは40倍となる。、やはりexpホーンの効果がわかる。
図4 3角ホーンの解析モデル
■L=1m
expホーンで周波数を変えて入り口のZaをみた(L=1m)。
f 1 10 3 0 100 300 500 1000 3000 10000 100000
Za 0.003 0.03 0.1 0.38 1.3 1.1 0.9 0.9 1.1 0.9
となり、300Hz以下で落ち込み、ホーンがない場合と同じになってしまう。これは波長がホーンの長さ以上で落ち込む。分割は30000である。
3角ホーンで周波数を変えて入り口のZaをみた(L=1m)。
f 1 10 3 0 100 300 500 1000 3000 10000 100000
Za 0.003 0.005 0.01 0.04 0.09 0.12 0.2 0.41 0.83 0.9
■lL=10m
exp
f 1 10 100 1000 10000 100000 1000000
Za 0.03 0.38 0.9 1.1 0.9 1.1 0.9
3角
f 1 10 100 1000 10000 100000 1000000
Za 0.035 0.2 0.83 0.9 1.1 0.91 1.1
■EXPと3角ホーンのZAの比較
図5 EXPと3角ホーンの比較(ホーン長さL=1m)
図6 EXPと3角ホーンの比較(ホーン長さL=10m)
★別な視点から見たホーンのひ必要性、効果は
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n373000
■expホーンの決め方
入り口と出口の大きさ、そして長さLを決めると、一意にきまってしまう。
y=A*exp(Bx)
であるから、X=0でy=y1、x=Lでy=y2とすると、
y1=A
y2=y1*exp(BL)
B=(1/L)In(y2/y1)
と決まる。
■ドライバーの動き
図7 ホーンドライバーのブロック図
ドライバーのブロック図を図5に示す。Iは電流、kは推力定数、mは可動部の質量、vは流速、Zaはドライバー部分からホーンを見たときの音響インピーダンス、Sは断面積である。これによると、
v=I*k*(1/m*s)/(1+Za*S^2/(m*s)) = I*(k/m)/(s + Za*S^2/m)
となる。高い方の遮断周波数 f2は
f2 = Za*S^2/(2*π*m)
ホーンにより、Zaを上げることは、f0を上げることにもなる。
さらに、振動版がばね(h)支持されている場合も考えてみます。それを図6に示します。
図8 振動版がばね(h)支持されているとき
v=I*k*(1/m*s)/(1+1/(m*s)*(Za*S^2 + h/s) )
=I*k/(m*s + (Za*S^2 + h/s) )
=I*( k / m) / (s + Za*S^2 / m + (h/m)/s )
低い方の遮断周波数 f1 は
f1=h / (2*π*Za*S^2)
となる。hが小さく、Zaが大きいほどf1を低くできる。
つまり、f1を決めるのはホーンの長さか、振動版支持ばねhとZa、f2を決めるのは振動版質量とZaであることがわかる。
付録
■特性抵抗Z0の伝送線路の性質(電気の場合)
Vs = cosh(γ*l)*Vr + Z0*sinh(γ*l)*Ir (1)
Is = (1/Z0)*sinh(γ*l)*Vr + cosh(γ*l)*Ir (2)
ここに
Vr : 受端の電圧 (V)
Ir : 受端の電流 (A)
Vs : 送端の電圧 (V)
Is :送端の電流 (A)
l : 線路の長さ (m)
γ:伝搬定数
参考
http://www.mogami.com/paper/tline/tline-01.html
線路上の電圧をV(x)とします。左端がx=0です。
入力が大変なので、伝搬定数γを似ているyとします(^^)
V(x)=V1e^-yx + V2e^yx (3)
V1,V2はそれぞれ線路を右、左に進む信号です。
Vs=V1+V2 (4)
Vr=V1e^-yl+V2e^yl (5)
Is=V1/Z0-V2/Z0 (6)
Ir=V1/Z0*e^-yl-V2/Z0*e^yl (7)
(5),(7)より、
V1=Vr/2*e^yl + IrZ0/2*e^yl (8)
V2=Vr/2*e^-yl - IrZ0/2*e^-yl (9)
(4),(6)より、
V1=Vs/2+Z0Is/2 (10)
V2=Vs/2-Z0Is/2 (11)
(10),(11)より V1+V2=Vs,(V1-V2)/Z0=Isであるから、(8),(9)とあわせて、
Vs=(e^yl+e^-yl)Vr/2 + Z0(e^yl-e^-yl)Ir/2
Is=(e^yl-e^-yl)Vr/(2Z0) + (e^yl+e^-yl)Ir/2
つまり、
Vs=cosh(yl)*Vr + Z0*sinh(yl)*Ir (12)
Is=sinh(yl)*Vr/Z0 + cosh(yl)*Ir (13)
となる。これは、つぎのようになる。ここで、伝搬定数を損失のない場合で考えkとする。
Vs=cos(kl)*Vr +j Z0*sin(kl)*Ir
Is=j*sin(kl)*Vr/Z0 + cos(kl)*Ir
Vs,Is,Vr,Irは複素数でそれを、Vsr,jVsi,Isrj,Isi,Vrr,jVri,Irr,jIriとすると、
Vs=cos(kl)*(Vrr+j Vri) +j Z0*sin(kl)*(Irr+j Iri) より、
Vsr =cos(kl)*(Vrr) - Z0*sin(kl)*( Iri) (14)
Vsi=cos(kl)*( Vri) +Z0*sin(kl)*(Irr) (15)
Is=j*sin(kl)*(Vrr+j Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr+j Iri) より、
Isr=-sin(kl)*(Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr) (16)
Isi=sin(kl)*(Vrr)/Z0 + cos(kl)*( Iri) (17)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
参考
http://www.gtr.co.jp/hobby-site/mc/mc-horn.htm
http://ms-laboratory.jp/hobby/audio/horn/horn.htm
http://www.diyloudspeakers.jp/6000html/speaker-unit/horngata-sp.html
音響学
----プログラム expホーンーーーー
REM exp
REM 30000
REM 500Hz,1m
LET N=30000
LET A=0.2
LET L=1
LET f=500
LET rmd=330/f
LET kl=2*PI*L/rmd/30000
REM LET kl=0.032/100
LET Vrr=0.003
LET Vri=0
LET Irr=1
LET Iri=0
FOR I=1 TO N
LET Y=EXP*1
PRINT Vsr,Vsi,Isr,Isi
PRINT S,T
END
----プログラム 3角ホーンーーーー
REM 3角
REM
REM 500Hz,1m
LET N=30000
LET A=0.2
LET L=1
LET f=500
LET rmd=330/f
LET kl=2*PI*L/rmd/30000
REM LET kl=0.032/100
LET Vrr=0.003
LET Vri=0
LET Irr=1
LET Iri=0
FOR I=1 TO N
LET Y=(30000-I)/100.33+1
REM 1, 300
LET Z0=1/Y
LET Vsr =cos(kl)*(Vrr) - Z0*sin(kl)*( Iri)
LET Vsi=cos(kl)*( Vri) +Z0*sin(kl)*(Irr)
LET Isr=-sin(kl)*(Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr)
LET Isi=sin(kl)*(Vrr)/Z0 + cos(kl)*( Iri)
LET Vrr=Vsr
LET Vri=Vsi
LET Irr=Isr
LET Iri=Isi
NEXT I
LET S=SQR(Isr^2+Isi^2)
LET T=sqr*2
PRINT Vsr,Vsi,Isr,Isi
PRINT S,T
END
--EXP、3角ホーン周波数特性比較プログラム-----
REM 1 m 10kHz
REM exp
REM 30000
REM 500Hz,1m
LET M=1000
LET N=30000
LET fmin=10
LET fmax=100000
LET Lfmax=LOG10(fmax)
LET Lfmin=LOG10(fmin)
LET dh=(Lfmax-Lfmin)/M
SET VIEWPORT 0.1,0.9,0.1,0.9
SET WINDOW Lfmin,Lfmax,-3,1
SET LINE STYLE 3
FOR s=1 TO 5
PLOT POINTS:Lfmin,-4+s
PLOT LINES:Lfmin,-4+s;
PLOT LINES:Lfmax,-4+s
NEXT s
FOR s=1 TO 5
PLOT POINTS:Lfmin-1+s,-4
PLOT LINES:Lfmin-1+s,-4;
PLOT LINES:Lfmin-1+s,1
NEXT s
SET LINE STYLE 1
SET POINT STYLE 1
FOR j=1 TO M
LET h=Lfmin+j*dh
LET f=10^(h)
LET L=1
LET rmd=330/f
LET kl=2*PI*L/rmd/N
rem GO TO 10
REM ==============================================
LET Vrr=0.003
LET Vri=0
LET Irr=1
LET Iri=0
FOR I=1 TO N
LET Y=EXP*3
LET Z0=1/Y
LET Vsr =cos(kl)*(Vrr) - Z0*sin(kl)*( Iri)
LET Vsi=cos(kl)*( Vri) +Z0*sin(kl)*(Irr)
LET Isr=-sin(kl)*(Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr)
LET Isi=sin(kl)*(Vrr)/Z0 + cos(kl)*( Iri)
LET Vrr=Vsr
LET Vri=Vsi
LET Irr=Isr
LET Iri=Isi
NEXT I
LET S=SQR(Isr^2+Isi^2)
LET T=sqr*4
LET LGT=LOG10(T)
REM PRINT Vsr,Vsi,Isr,Isi
REM PRINT S,T
REM PRINT Lfmin,lfmax
PRINT f,T,LGT
IF j=0 THEN PLOT POINTS:h, LGT
PLOT LINES : h, LGT;
REM PLOT LINES:Lfmax/3,-20;
REM PLOT LINES:Lfmax/2,-1;
NEXT j
REM================三角============================
10
REM 1 m 10kHz
REM 3角
PLOT LINES
FOR j=1 TO M
LET h=Lfmin+j*dh
LET f=10^(h)
LET rmd=330/f
LET kl=2*PI*L/rmd/N
LET Vrr=0.003
LET Vri=0
LET Irr=1
LET Iri=0
FOR I=1 TO N
LET Y=(N-I)*299/N+1
LET Z0=1/Y
LET Vsr =cos(kl)*(Vrr) - Z0*sin(kl)*( Iri)
LET Vsi=cos(kl)*( Vri) +Z0*sin(kl)*(Irr)
LET Isr=-sin(kl)*(Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr)
LET Isi=sin(kl)*(Vrr)/Z0 + cos(kl)*( Iri)
LET Vrr=Vsr
LET Vri=Vsi
LET Irr=Isr
LET Iri=Isi
NEXT I
LET S=SQR(Isr^2+Isi^2)
LET T=sqr*5
LET LGT=LOG10(T)
REM PRINT Vsr,Vsi,Isr,Isi
REM PRINT S,T
REM PRINT Lfmin,lfmax
PRINT f,T,LGT
IF j=1 THEN PLOT POINTS: h, LGT
PLOT LINES : h, LGT;
NEXT j
END
*1:30000-I)*0.00019)
REM 1, 300
LET Z0=1/Y
LET Vsr =cos(kl)*(Vrr) - Z0*sin(kl)*( Iri)
LET Vsi=cos(kl)*( Vri) +Z0*sin(kl)*(Irr)
LET Isr=-sin(kl)*(Vri)/Z0 + cos(kl)*(Irr)
LET Isi=sin(kl)*(Vrr)/Z0 + cos(kl)*( Iri)
LET Vrr=Vsr
LET Vri=Vsi
LET Irr=Isr
LET Iri=Isi
NEXT I
LET S=SQR(Isr^2+Isi^2)
LET T=sqr((Vsr^2+Vsi^2)/(Isr^2+Isi^2
*2:Vsr^2+Vsi^2)/(Isr^2+Isi^2
*3:N-I)*(5.704/N
*4:Vsr^2+Vsi^2)/(Isr^2+Isi^2
*5:Vsr^2+Vsi^2)/(Isr^2+Isi^2