円周率に関する話題。グレゴリー級数など
πの計算に用いられるtan-1(x)の展開式
つまり、グレゴリー級数の話題です。
グレゴリー級数
π/4=1-1/3+1/5-1/7+1/9-・・・
マチンの式
π/4=4tan-1(1/5)-tan-1(1/239)
■
http://math-lab.main.jp/taylor.html
によれば、テイラー(Brook Taylor 1685-1731)により、現在で言う
テイラー展開が発表される40年も前に、
グレゴリー(James Gregory1638-1675)により、tan-1(x)の展開式が発見
されています。
これが世界初の級数展開であるそうです。
テイラー展開と呼んだのはオイラーであるそうですが、
グレゴリー展開というべきかもしれません。
マクローリン展開はx=0でのテーラー展開を言うものです。マクローリンは発明者ではないそうです。
■グレゴリー級数の証明(まったく自信ありませんが)
∫(0,x)dx/(1+x^2)=tan-1(x) (1)
であることを、グレゴリーは見出していた。
図1 (1)式説明図
図1によれば、
dθ=dx/(1+x^2)
であるから、
θ=tanー1(x)=∫(0、x)dx/(1+x^2)
次に、
1/(1+x^2)=1-x^2+x^4-x^6+x^8-・・・ (2)
とおいてみる。x^2nで打ち切って、両辺に(1+x^2)をかけると、
1=1-x^2+x^4-x^6+x^8-・・・+(-1)^n*x^2n
+x^2-x^4+x^6-x^8+x^10-・・・+(-1)^(n-1)*x^2n+(-1)^n*x^2(n+1)
=1+(-1)^n*x^2(n+1)
もしxの大きさが1未満であれば、n-->∞で(-1)^n*x^2(n+1)-->0
だから、
(2)はそのとき正しい。これがテーラー展開である。(2)式を(1)に入れ、積分を実行すると、
x-x^3/3+x^5/5-x^7/7+x^9/9-・・・=tan-1(x) --(3)
となる。(2)式はxが1未満で成り立つ。しかし、(3)式はx=1でも収束する。そして、x=1において連続である。つまり(3)式のxーー>1(X≠1)で収束値は、x=1の値に等しくなる。そこで、
tanー1(1)=π/4=1-1/3+1/5-1/7+1/9-・・・
という、グレゴリー級数が証明された。
■
ちくま学芸文庫 ベックマン「πの歴史」からです。
この本は、私が高校のとき、違う出版社から出ていて、それを読んだ
記憶があるのですが、再販です。
これによれば、マーチン(現在ではマチンと発音する)は1706年
に100桁のπの値を得たそうです。
最初に、コンピュータによってπが計算されたのは、1949年で
あった。ENIACによる。2037桁を70時間要した。マチンの式
でプログラムされた。
1954年には、バージニア州のNORCが3089桁を13分で
計算した。
その後、1956年に、パリでIBM704により、マチンの式により
1時間40分で10000桁計算された。
ところが、1961年に、シャンクスとレンチは、マチンの式ではなく、
π=24tan-1(1/8)+8tan-1(1/57)+4tan-1(1/239)
という1896年ストーマーの発見した式をつかい、100265桁を
計算した。
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